写真は沖縄の南城市にある「柿花桶川(カキノハナヒージャー)」で通称チャンカーと言われている水源で(柿花なんてすばらしいネーミングですね)今でも地下から清流が湧き流れ出ています。そしてこの井戸は、環境省の日本の名水100選にも入っているそうですが、沖縄はあまり水が豊富な土地でありませんでしたので古くから水の確保には大変苦労したようです。
説明書を読むとこの井戸の右側が男が、左側を女が利用したとあります。また、この井戸は集落からだいぶ下がった土地にありますので、水を桶に汲んで頭に載せて石畳を踏んで集落まで運んだそうですが、それは女の仕事だったそうです。
統計局の資料によりますと、2005年の我が国は取水べースでは834億㎥(生活用水159億㎥、工業用水126億㎥、農業用水549億㎥)ですが、1996年には892億㎥でしたので約10年間で58億㎥も減少しています(有名な黒四ダムの有効容量が1.5億㎥ですので実に38杯分減りました)。工業用水が減少の主役ですが、日本の産業構造の変化がダイレクトに水利用に影響しています。
なお、近代的な生活をしていると生活水の利用量は307ℓ/人・日ですので、1日で一人が2.0ℓのペットボトルで換算して153本分を消費することになりますが、「柿花樋川」を見ていて今に生きる私たちが水道栓をひねることで苦労せず水を手に入れ、そして、あまりにも安易に消費していることを教えてくれます。