公的固定資本形成(Ig)という言葉お分かりでしょうか、これは国、県など公共事業整備のために投資する金額で、これに対して民間固定資本形成(Ip)もあります。

ここでは日本の(Ig)についてですが、我が国はGDPに占める割合が欧米諸国より一段高い国です(2006年は日本3..2,(総額18兆円程度)、アメリカ2.5、イギリス1.9、ドイツ1.4)なお、1995年の日本は6.4(総額31兆円程度)と高く景気浮揚を公共事業に依存していたことを示しています。

この結果、日本の場合経済史上にもまれな「高い公的ストック」を抱えているわけですが(過去30年間の累計で750兆円程度)、社会資本の平均的な耐用年数は約32年といわれていますので、これから莫大な維持管理費及び更新投資の需要を発生させることを意味しています(信じられないかもしれませんが、これから毎年公共投資額の5~6割を維持・更新に振り向けなければなりません)。

写真は「今帰仁村公民館(ナキジンソン)」ですが、建設された当時は建築雑誌にも多く取り上げられた名建築でした、しかし、写真ではそれほどわかりませんが、維持管理をいい加減にやってきたためか、もう、廃墟の一歩手前です。

今帰仁村公民館の姿は将来の我が国の公的ストックの一つの姿を現わしています、更新維持需要の急増と投資余力の減退、これから、計画的に効率的にこれまで蓄積された公的ストックの維持管理を行わなければ社会資本が荒廃しますが、これは生産基盤の劣化による国際競争の低下と生活基盤の劣化による便益の低下をもたらします。それよりも、現在生きている人が将来の孫子へ多大な借金をして投資した公共施設を継承していかなければ、孫子への申し開きもできません。
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