沖縄は今年は空梅雨かと思われていましたが、ここ二三日まとまった雨が降っています。沖縄では開発が進んだ結果いろいろな弊害が発生していますが、写真に示すように「赤土の流出」もその一つです。沖縄のイメージはコバルトブルーの海と青い空ですが、一雨降ると赤土が流出し海を汚しサンゴ礁や様々な生物に悪影響を及ぼすことになります。
赤土流出の大きな原因は「大規模農地造成事業にあります、内地でも田圃に大型機械を入れて効率化を図るために耕地の土地改良事業をあちこちで見られますが、沖縄では特に畑の大規模化を行っています。しかし、これは長い年月をかけて醸成された表土をはぎとり造成されますので、一雨降ると一気に弱い表土が流出してしまうことになります。赤土の流出はこの他にも多くの公共事業も関係しますが、開発と環境へのインパクトは表裏一体のものであり、いくら環境保全事業をしても避けられないもののような気がいたします。
今、世界は口をそろえて低二酸化炭素排出の時代をうたっていますが、経済・産業の発展と二酸化炭素排出増が表裏一体の問題であり避けられないことと通じています。46億年の地球と生物の進化は微妙な自然環境のバランスの上の成り立ち、豊かな自然環境は生命のゆりかごでしたが、今私たちは金銭的な豊かさばかり求めてそのゆりかごを次世代に継承できないような経済・社会システムを作りつつあるのではないでしょうか。