糸満の女といえば夫が海で獲った魚を買い上げ、その魚を市中に売りに歩き家計を支えたと言われていますが、写真は糸満市街地で見た魚市場です。現在の糸満市は海の埋め立て地に住宅団地やアウトレットモールが軒を並べて一大観光地に大きく変化していますが、わずか数年前までは沖縄の一港町であり、市場も写真のようなごくごく庶民向けの店舗が多い町でした。
しかし、今の糸満市役所は道路のための移転補償費用を得て27億円も投じた超近代的な建物で、わずか6万人の市庁舎にしては「やりすぎ」の感が否めません。特に補償費(国民の税金)を利用したことなど、道路法線の引き方に問題があるのではないかと疑ってみたりもしますが、市役所は立派になっても糸満の市民にあまりかかわりないことは写真の市場のつつましい風情からも推し図ることができます。
この市場の近くには甲子園で名の知られた沖縄水産高校もありますが、沖縄水産高校もはじめは北部のカツオ漁で知られた本部町にあり、ついで、那覇市の泊に移転し、そして今糸満にあるとか、学校がどんどん移転するのもあまりありませんが、学校も都市もスクラップ&ビルドで成長するものなのでしょうか。
この魚市場で買い求めた「サシミ」は値段も安くしかも大変おいしく、物事に動じないそして気のやさしい糸満女のフアンとなりました。