私が毎日通る川沿の道に一本の桜の木があるが、他の品種と異なるのか早咲きである。しかし、この桜も毎年3月の下旬頃から咲き始めていたと思うが、桜はもう散り始めており、これもやはり地球温暖化のためなのかなどと考えていた。ニュースでも毎日全国の桜の開花予想が報道されているが、今年は秋田が4月15日ころ、青森が4月25日ころとのこと、特に青森、弘前の桜はその美しさが全国的に知られており、確かいつもは5月5日前後のゴールデンウィークのころに満開と咲く花であった。このことから弘前の桜の開花予想は例年より10日も前に咲くこととなり、この分が地球温暖化の時間的変化と言えるのかもしれない。

温暖化は例えば南洋の珊瑚礁からなる島々の海水面上昇による住民生活の影響や、あるいは、熱帯性昆虫の生息域拡大(北上)の農産物への影響、さらには、海水温上昇による魚類資源への影響など地球上のありとあらゆる生物への影響が考えられ、どちらかといえば悪影響の方が多大である。

地球温暖化防止のために世界の国々の話あう場として、Panel on Climate Change:PCC(気象変動に関する政府間パネル)が知られているが、これは1988年11月UNEP(国連環境計画)とWMO(世界気象機構)の共催で発足し、これまで、CO2の削減目標を掲げている。しかし、先進国と発展途上国との話し合いがまとまらず、さらに、ブッシュ政権のアメリカが批准しないなど骨抜き状態で、PCCの削減目標など放置されたままの状態である。

戦争や紛争のように血が流れないPCCのCO2削減目標などよりは、自国の経済発展の阻害にもなりそうな約束事など後回しかもしれないが、人間を含めて生き物の命にかかわる地球環境の根本問題ともいえる温暖化について、子々孫々が永遠にこの美しい地球で生きていけるよう、各国の指導者は論議をふかめ、温暖化阻止のための効果ある施策を実現してほしいものである。