最近はあらゆる分野で価格破壊現象が発生し、定着しているが、もう、安くなければなにも売れない時代になっている。
例えば、都内の4,5千万円の土地建物もつい1年前の1千万円引きも見かけられる。次いで高額な車でもトヨタのハイブリット車「プリウス」が200万円前後とか、これはホンダのハイブリット車「インサイト」の189万円を意識した価格だそうであるが、一時に比べ30万円ほどもの値下げである。
このほか、背広などに至っては1万円以下が当たり前のような値段にもなり、百貨店は売り上げ減が12ヶ月も続いているそうで、2月の売り上げは前年同月比11.5%減と発表された。一方で、低価格で知られるユニクロは売り上げを伸ばし、経営者は世界の富豪の仲間に入ったようだ。
また、外食産業も客足が落ちこみ、大手の外食チェーンの不採算店閉鎖があちことでみられ、あらゆる商売で安くなければ客が立ち寄らない状況が発生している。
昨夕、所用で三軒茶屋で会食をしたが、この安値競争の実態にまざまざとふれたが、飲み放題で1200円とか、飲み放題お料理7品で2300円とか、家で食事するよりも遥かに安いのではないかと思われる店が軒をつらねて、激しい競争をしている。そして、このような飲食店にはお客が列をなし、20分、30分待ちは当たり前といった状況である。
価格破壊の時代といわれて久しいが、このようなあらゆる分野での低利益での激しい競争は結局、派遣切り問題、商品の偽装問題、サービス残業問題などの一因となっていると思うが、ビジネスとは暴利をむさぼることは論外であるが、やはり適切な利益を生み、そこで働く人の幸せにつながるものでなければならないと思う。