昨日の読売新聞の夕刊に「西鶴を読む」という記事が出ていた、西鶴についてはここであれこれ記するつもりはなく、当時の作家のの姿と、ベストセラー本の値段について述べる。

この記事の中で辻原登氏は「一作目の好色一代男が売れて、本屋に次の執筆を迫られ、鵜の目鷹の目でネタ探しをしたんでしょう。昔も今も作家は変わりません」というフレーズが面白い。

作家と名のる人は、一作目はこれまでのストックを使って何とかヒットを飛ばしても、後はなかなか続かず、しかたがないから政治家やタレントになってしまう方々も多い。

しかし西鶴は当時の様々な事件参考に、江戸期を代表する作家となり、江戸の庶民の暮らしぶりを我々に教えてくれている。

また、この読売の記事には西鶴の好色五人女は5巻で銀2匁8部分とあったので、これを今の価値に換算するとどのくらいか調べてみた。

造幣局の資料によれば江戸時代の貨幣は4進法(1両=4分=16朱=4000文=銀60匁)であるとのこと。貨幣換算は、相撲取りの十両の給金(年間10両をもらえたからその名の由来)から換算してみる。

現在の大相撲では月給横綱282万円、大関234万円、三役170万円、平幕130万円、十両100万円であり、2ヶ月の手当がつくそうですから、十両で年間1400万円、従って1両は140万円、1匁=140÷60=23,333円、これより、2匁=46,000円 すなわち、西鶴の好色五人女をセットで購入するとなると4,5万円となり、江戸期の本は結構値段が高いことがわかる。

(換算の方法はソバなどと食べ物と比較することもあるが、本は芸能文化に属するので、あえて大相撲の十両と比較した)。