あなたは「小沢一郎探検」という本を知っていますか?、この本は1991年10月に朝日新聞社から出版されたもので、今から16年も前の日本の政治情勢と小沢一郎氏の政治の理念について記述している。
そして、16年経過した現在の政治の仕組み、あり方が何全て小沢氏が考えている姿になっていることに驚かされ、小沢氏が類い希な優れた政治家であることを示している(小選挙区制、社会党に代表されたチェック政党不要論等々)。
例えば、国家について、小沢氏は「たらふく食って、国として何をすべきか、忘れた状況」として経済大国のみを目指した戦後政治を批判している。小沢氏は日本が国際政治の主要な配役として、何事かなさなければならなくなった時代の「国家」の民主主義を「自我の確立」とし、「自我」とは自己主張とそれにともなう責任の遂行ととらえている。
従って、最近小沢氏は日本駐留する米軍は「第7艦隊」だけでいいと語っているのは、彼の持論であり、日本国の自我の確立の思想から言えば当然の帰結でもある。
今、小沢氏を巡る問題が取りだたされているが、田中金脈の時もそうであったが、小沢氏もアメリカの「虎の尾」を踏んだとばっちりかもしれないと考えるのは飛躍であろうか。
我々は選挙を通じて政治家に日本国のありようをゆだねているわけであり、往々にして類い希な政治家がその反対者の策謀のためにつぶされた姿を数多く目にしている。
この度の総選挙直前の政治資金規制法の違反容疑と、小沢氏の優れた国家の有り様理論とを天秤にかけてみても、国家のために命を捧げている政治家を葬り去ることだけはやめて頂きたい。