「富士は日本一の山」と童謡にありますが、富士山は古代から詩に詠まれ、また、江戸期の浮世絵にもあるが、眺望できる範囲は関東、東海、甲信に及びます。
新幹線で旅行中に晴天であれば田子の浦あたりで富士山が最も美しく見えるが、乗客の多くはなにか神聖なものをあがめるような表情で見入る姿も印象に残ります。
しかし、この富士山は姿形が美しいことで私たちに勇気を与えているのみにならず、膨大な地下水を湧出することで上水道用水として、産業用水として私たちに恩恵を与えています。
しかも、今利用している富士山からの地下水は、400年から500年も前に富士山に降った雨が湧出しているとのことで、信長や秀吉、家康らの英雄達が濡れた雨であるとすれば、自然というものは大いにロマンをかき立てるものだと思います。
富士山の湧出水で有名な柿田川湧水群がありますが、ここは環境庁(省)「名水百選」「21世紀に残したい日本の自然百選」に認定されています。
これに対して関東、特に首都圏の飲料水はその多くを江戸川から取水しており、上流は埼玉県本庄、下流は東京都の金町浄水場などで取水し、約2千万の人々が利用しています。しかし、これらの河川からの水は蒸発そして降雨となったもの利用しているわけであり、1,2週間で再利用されている計算となるそうです。
従って、400年から500年前に降った雨を、富士山という自然が生んだ超浄水施設を利用し、その水を利用している地域の方々は本当に恵まれており、毎日一週間程度のリサイクル水を飲んでいる者にとってはうらやましい限りです。
下の写真は奥利根湖です。この湖は八木沢ダム建設(昭和42年建設)によりできた人造湖で、首都圏の水道源でもあります。