鳩山総務大臣が東京駅前の旧東京中央郵便局の再開発に待ったをかけた発言が報道されています。この建物は逓信省の吉田鉄郎氏による設計でブルーノ・タウト(桂離宮の美を世界に紹介)やアントニン・レーモンド(軽井沢の聖パウロカトリック教会の設計者)も絶賛しました。

確かにこの建物は日本の伝統的な柱、梁を装飾的に(機能美)現した海外には少ない建物であり、日本が世界に誇れる建築物かもしれません。

このような建造物が郵政の民営化による「儲け主義」のために取り壊すのであれば問題があり、鳩山大臣に賛同したいと思います。

しかし、これまでも日本の歴史的建造物は壊され続け、神谷町にあった旧逓信省(国土庁が使用)も、あるいは、霞ヶ関にあった旧内務省(自治省が使用)も破壊されましたが誰も(文化人・マスコミ)その建造物を護ろうとしませんでした。

日本には古代から伊勢神宮で20年ごとに,外宮(豊受大神宮)・内宮(皇大神宮)の正殿などを建て替え、新しい宮へ御神体を遷す「式年遷宮」が行われますが、スクラップ&ビルドがDNAに染みついているのでしょうか。

下の写真は金沢の「犀川大橋」で明治12年に完成されたと記録にありますが、現在でも立派に役立っています。一方、秋田県の由利本荘市にある「由利橋」はこの橋よりも新しいにもかかわらず架け替えをするそうです。上海では万博に向けて文化財的な価値を見いだし古い橋を修理し再架橋したそうですが、日本でも文化財的な価値のあるものをスクラップにせずになんとか後世に残せないものでしょうか。

なお、B.タウトさんは戦前の秋田の町並みをお褒めでしたよ。

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