オバマ大統領は太陽光発電など環境政策でアメリカに新たな雇用を発生させると言っていますが、わが国のように世界で有数の沿岸域を持つ国では海洋政策でも新たな雇用が考えられます。

 わが国は明治以降わずか100年余りの間に急激な都市化と工業化が進展し、併せて激甚な公害を経験し、水質・地質汚濁はきわめて深刻な状況となりました。

 過去に洞海湾は「死の海」、隅田川は「どぶ川」と称され生物の姿は見られなくなり、これが全国の海域に広がり国民を不安に陥れました。その後、工場排水の規制及び環境水の水質監視を法律に基づいて実施した結果、水質は徐々に改善されましたがしかし、海底や河床には永年堆積された汚染底質や有機汚濁が存在しています。そして、これらは今でも海域汚染の主要な原因となっています。

 私は全国の海域の汚濁量の内高濃度(COD40mg/g以上、I.L20%以上、T-S1.5mg/g以上)を把握してみましたがその面積は718.2km2に及ぶ膨大なものでありました。

 このうち東京湾、大阪湾、伊勢湾などの大湾が664.4km2と全体の92.5%を占め、今後これら大湾の底質の保全対策をする必要があると思います。



 このことから私たちに身近な沿岸域の環境改善事業がオバマさんのまねをしない、わが国独自の環境政策が21世紀の大きな産業となり、新たな雇用の場の創造となり、何よりも、次世代につけを残さない国土づくりにつながると思いますが、党派を超えて政治家の皆さん一考してはいかがでしょうか。

 ここで参考までに底質改善事業に必要な費用を概算すると、表層1m3,000/m3の単価で対処すると考えた場合約2兆円必要となり(最近話題の給付金と同額ですね)表層2mの処理が必要であれば4兆円の事業費が必要となります。