昨日から北国は猛烈な吹雪、千歳空港発着の航空機も百数十便が欠航しているようです、私も2年前の3月に北海道に行きましたが1泊のつもりが3泊になり、ホテルの予約が大変でやっと宿泊できた経験があります。
雪国には当然降雪がありますが、これがほどほどであれば情緒があっていいですが、ドカ雪にでもなると雪にはなれているはずの住民も大弱りです。そして、住宅の屋根の雪下ろし、もう高齢者だけの集落(都市部も含めて)もありますから、これは一大事業であり、大いに費用のかかるものであります。なんでも、一度雪下ろしを業者に頼むと20万円ほどはかかるようで、雪の多い年は数回となり、費用も本当に嵩んでしまいます。
ところで、市街地の街路(歩道)も凍結し滑ってけがをする話も聞きますが、凍結防止ににかかる費用は一体どの程度と思いますか。
ここでは除雪をしてある街路2000㎡を凍結防止する費用を試算をしてみます。一番安価な方式は塩カル(中国から輸入したものが多い)を散布する方法で4時間ごとに散布するとして約486,000円/年程度です。次いで、融雪ヒートポンプ方式で1,000時間稼働で15,170,000円/年(まだあまり普及していません)程度、さらに、電熱方式では1,000時間稼働で15,338,000円/年程度となります。札幌市などの歩道では最も費用のかかる熱源方式が多いと思います。
安いといって塩をまいていては塩害を発生させ環境に悪影響を及ぼします(道路沿線の農地で塩害が見られます)ので、コスト面では少し高くなりますが、やはり環境を考え次世代につけを残さない方式を選ぶのが大切です。
なお、アメリカでは費用対効果を考えた場合、塩カル散布の30倍の価格でもいいとありますから、486,000円/年×30倍=14、580、000円/年となります。ですから、随分高いですが札幌市のかけている費用がほぼ的を得ている金額となりますね。
この他に、最近ホタテ貝殻とリンゴの絞りかすを用いた非塩素系の第三の方式とも言える新たな融雪剤も考案されています。この場合は4時間ごとに散布し2,086,400円/年程度で、電熱方式の1/7程度ですから今後このような環境に優しく、廃棄物の有効利用もでき、さらに安価な優れた融雪剤が利用されたらうれしいですね。
これは融雪分野であるが、各分野で今行われている方式、システムがオバマ流に環境面で最適かを考えて、改良・改善をすれば新産業の創造となり、不況を克服することにつながるとことを教えていると思いますので、人間のすばらしい英知を結集して新しい時代を構築したいですね。