昨夜(19日)NHK教育TVの「視点論点」で千住真理子さんがアントニオ・ストラディバリについてお話ししていました。千住真理子さんといえば才能にも恵まれたバイオリンの世界的な名演奏家ですが、彼女自身は3歳からバイオリンを始められ、後年運命的にアントニオ・ストラディバリの1716年の作品であるデュランティに巡り会ったと語っていました。また、ストラディバリウスの名器は、その所有者や演奏者の来歴が明らかであるが千住さんが所有するデュランティは最初ローマ法王が所有しその後フランスの貴族のデュランティが所有していたのでその名前がついたそうです。

 アントニオ・ストラディバリは1644年に生まれ1725年81歳の当時としては珍しく長寿でしたが、10代からバイオリンを製作し、その数は約1,200梃あるといわれ、約600梃の存在が確認されているそうです。そして、その最高傑作は1715年から1716年であり、千住さんのバイオリンはまさにこの時期のものであります。

 驚くことに彼の年譜を見ると最高傑作は71歳から72歳にかけて制作されていることです、我々凡人にはおよびもつきませんが、人間にはやはり円熟という言葉が当てはまるものだと感じ入りました。

 わが国では65歳からを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と言いますがアントニオ・ストラディバリはまさに後期高齢者のころが最高傑作を製作していたわけです(当時のことを考えれば超後期高齢者だったかもしれません)

 65歳で年金を受け取ってあとは悠々自適、人生の楽園を謳歌したいと考えている方々、長い余命を無駄にすると認知症というこわい疾病が待ちかまえていますよ、2002年(H14年)の要介護者314万人のうち認知症は149万人いますが、これば2045年には認知症が378万人に達すると予測されています。

人生を謳歌するのは年金でなく自ら働く場所を見いだし働き続けることかもしれません。