コーヒー1杯からわかる経済 (ちゃんと知りたい!) /造事務所 | ブログ

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こんにちは。岡本大輔です。
昼の紹介はこちらです。
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著者 : 造事務所
大和書房
発売日 : 2007-06










【出会い】
帯広図書館の経済関係のコーナーで出会いました(あまり行かないところでふと目につきました)。


【本書紹介のねらい】
~本書抜粋より~
本書では、経済、経営を知るうえで欠かせない「ブルー・オーシャン戦略」「コーポレート・ガバナンス」「マネー経済」「GDP」「管理会計」などのトピックスを、「喫茶店のコーヒー」や「おすし屋さんのすしネタ」といった身近な話題で解説します。

ブクログのレビューでは平均で✩3つ以下と評判は良くないようですが、挿絵が入っており、ドリンクバーや回転寿司といった身近な話題が出てくるので、僕は親近感が湧いていました。

「経済」と聴くと難しそう……と拒否反応が起こるあなたに最適の一冊と言えます。

【響いた抜粋と学び】
難しい言葉についての理解というよりか、近所に最近出来た「はま寿司」という1皿105円の激安回転寿司のカラクリを知りたくて、読んでみました。

監修者の丸紅経済研究所は経済産業動向の調査分析を専門に行なう組織として、丸紅株式会社調査部として発足しています。2001年に現在の名前に改名しています。国内外の取引先や官公庁・自治体に対する受託調査や情報提供サービスを行なっています。

この手の話は得意中の得意、ということですね。

ふつう、モノの値段には、「利益+原価」が含まれる、たとえばコーヒーでいえば、この原価の中にはコーヒー豆の仕入れ値が含まれる、それから、豆を煮出すためのお湯(水)、ミルク、砂糖、光熱費、そして当然、コーヒーをいれてくれるマスターやウェイトレスの人件費……。

ドリンクバーでもとをとるには、かなりのコーヒーをガブ飲みしなくてはならないだろう、しかし、実際にはせいぜい平均2~3杯が限界、加えて、店は原料を大量仕入れすることで、原価をさらにおさえる、これでは、客の方こそドリンクバーでもとをとるのは、至難のワザだ!

ドリンクバーはウェイトレスがコーヒーを持ってきたり、片付けたり、などの仕事が少なくなり、マスターがコーヒーを入れることがないので、人件費はかなり抑えられます。結局のところ、モノの原価で高いのはなんといっても”人件費”です。
介護業界で言えば、介護は商品の形の見えないサービス業になります。形あるモノを売るサービスではありません。なので、いただいた介護報酬から人件費を割り出すわけです。
介護報酬は、デイサービスで言えば年間の利用人数、月間の利用人数から利用料金は一律で決まります。
すでに報酬は決まっているわけです。そこから職員にお金が支払われるわけです。
他の業界であれば、ある程度サービス料金は変えることが可能でしょうが、介護の場合はすでに決まっています。ということはいかに人件費を削減しながら、良質なサービスを提供できるのかが鍵になります。

本書でも挙げられていましたが、非正規雇用の増加は介護業界はもちろん多いです。同じサービスを提供できるなら非正規雇用の方が人件費が安く済みます。

逆に人件費が高くなる正規雇用の場合は、非正規雇用と同じ仕事をしていては、人件費だけがかかってしまい、会社の運営が立ち行かなくなります。

あかりデイサービスの近所にできた「はま寿司」についてもちょっと話します。僕は先日行ってきたんですね。すると、寿司屋さんに寿司を握ってくれる職人さんが一切いないんです。

どういうことかというと、職人さんを雇わず、おそらく機械でシャリを握り、その上にネタをのせるだけ。ネタをのせるだけなら職人じゃなくても大丈夫ということです。
だから、1皿あたりの単価が105円と格安なんですね。
※ しかも平日は1皿90円です。

マグロづくしという中トロ一貫入った全9貫は470円でした。格安!!
※ ちょっと物足りないけどね。


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朝4時起きで活動し、圧倒的読書量で介護業界に革命を起こす男のブログ-image




物価は安定しているほうが一般的には望ましいだろう、現実には「ゆるやかなインフレ」が望ましい、とされている、逆にデフレのほうがよっぽどまずい、消費者が、モノの安さに魅力を感じてしまうと、同業種の中での競争も価格の安さにしぼられてしまい、競争に負けた企業は倒産し、倒産しなかった企業も価格競争のせいで、すっかり体力が衰える、そんな悪循環が起きるからだ。

これは例えば、ユニクロの台頭だとか、イオングループの進出が挙げられますね。小売業では価格破壊が起こっています。消費者はより安くを求めていきます。するとどうなるか?
結局、資金力のある大手企業しか生き残れないんですね。さらに行くどうなるか? 価格破壊を続ける大手は利益がでなくなり、経営が成り立たなくなる……そうなると破綻。
大手が破綻すると、大手のせいで破綻した会社ばかりなので、地域にお店がなくなる。あっという間に買い物難民が急増なんてシナリオが見えてきます。

十勝・帯広の場合は、ダイイチ、イチマル、フクハラといった地域のスーパーが3つもあり、各所でお店があるので、即買い物難民とは成り得ないとは思いますが……。

モノの質の低下は目に見てくるんじゃないかな、と思っています。

あと、スーパーでも利益を出すためにサービス残業がかなり多いというのも聴いたことがあります。結局削るとしたら人件費しかない、という状況。この状況で得をするのは誰なんでしょうね?


ここまでお読みいただきありがとうございます。

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著者 : 造事務所
大和書房
発売日 : 2007-06