認知症ケアの倫理/箕岡 真子 | ブログ

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みなさん、おはようございます。




認知症ケア専門士

一次試験合格のみなさま


2次試験願書は明日までと

なっております。


レポートは作成しましたか?




さてさて、

本日紹介する書籍は

認知症ケア専門士

2次試験対策にと、

レポート作成に役立てたい・・・


そして、

もちろん職場で活かすため


図書館で借りてみました。




大学の講義に使われそうな

内容の書籍ですが、


このような書籍を

改めて読むと、

日々の仕事に追われ、

従業員主体の福祉・介護を

やっている・・・


と反省しつつ


今後のケアを

見直すのに


いいきっかけになります。




3年前・・・

認知症介護実践研修を

始めて受講したとき、

それまで学校で習った

少しばかりの知識と

少しばかりの現場経験が

いかに無力だったか・・・


結局、僕は

認知症になったお客様を

「人」としてみていなかった・・・


と気づいたわけです。


同じことを何回も言う

すぐ忘れる

今までできたことができない


能力面ばかりに目がいきましたが


本当はそうではない。


能力面ももちろん大事ですが、
実際に今何ができて

これからどうしていくのか?


協力してくれるのは誰か?


どのような支援が必要か?



できなくなることが

多くなるけれど、


それでも

あなたはあなた自身

一人の人間として

尊厳を保たれる・・・



言葉にするだけでなく

僕たちは態度に表し

敬意を持って接する必要が

あるし、


僕たち福祉のプロだけでなく、

社会全体がそのようにして、


認知症=できない人

恥ずかしい・・・人前に出られない


ではなく、

認知症となっても

社会で尊厳を持って生きていける


そんな社会作りまでもが

僕たち福祉のプロに

求められていることではないか?


そのような想いで読みました。



認知症のことを

本人の前で

家族の前で、


書類の説明や担当者会議のときなど

話すとき、何か引っかかる部分が

あります。


それは

本人が気にするのでは?

というのももちろんですが、


社会全体に


認知症=ダメな人間


というレッテルが強いのではないか?


と感じています。



僕は

そのような社会から

少しずつ、すべての人が

住みやすい街づくり


認知症を正しく知ること

正しく接すること

人が人に優しくすること



このようなことを実現したい。


そのような想いから

認知症ケア専門士取得を

目指した背景があります。



その想いを

更に強くさせてくれた

一冊でした。


箕岡 真子
ワールドプランニング
発売日:2010-11


チェック項目37箇所。認知症ケア専門士2次試験前に知識・感性を高めるために選んだ書籍。今まで認知症の人は「ひとりの人格を持った人間」として扱われなかった。認知症の人の記憶力・自己認識・心身機能喪失への不安を少しでも和らげることができるような配慮と「彼らと共に在る」という姿勢を大切にする。認知機能が低下したり、失ってしまった人をone-selfとして認め、「あなたはあなた自身(yourself)よ」と声をあげる。認知症ケアの倫理には他職種のアプローチが必要。認知症の人たちの経験を”自分のフィルターを通じてみている”ことを自覚する。自分なりの解釈。
異なる立場の人々の価値観を尊重する。倫理的ジレンマ・・・人材不足によって利用者様に寄り添うことが難しい。過去の生活パターンなのか介護技術上の問題なのか。倫理4原則・・・自律尊重原則、善行原則、無危害原則、公正原則。自己決定、選択。利用者の立場に立った善い行為。利用者様の被る害を最小限にする努力。平等にケアを受ける権利。4原則の優先順位はケースごとに異なる。医療・介護は商品ではない?利用者様の福祉・安寧が目的・思想であり、利益は2次的なもの?熱意・意欲・思いやり・献身などを備えていることが利用者様と適切な信認関係を築く。認知症の診断の告知。人それぞれの反応がある。今の自分の病気を知ることが今後の生活について、医療・ケアを考えることができる。認知症の進行を考えて事前に将来のことを自己決定できる。告知のメリット・・・感情的安定、早期治療による症状改善・進行を遅らせる。治療方針・ケア方針の自己決定。終末期医療の自己決定。医療に関する代理判断者を指名できる。任意後見人の指名、新薬治験の被験者になれる。デメリットは告知されることでの感情不安定。告知方法やタイミングなどの工夫が必要。告知の心理的配慮・・・思いやり、共感。真実を告げる。本人だけでなく家族にも。継続支援の姿勢。タイミング・・・診断後できるだけ早く。告知内容・・・病名・病態、予後、治療方法、サポート体制。告知相手・・・本人の許可を得て家族にも。告知には責任が伴う。告知後の心理的ケア・カウンセリング。家族の役割・・・いつまでも家族の一員として尊重する。現在だけでなく過去を知る。関係者全員のQOLs、本人の想い、家族の想いの違いを理解する。介護施設に入所させることは恥ずかしいことではない。パーソン・センタード・ケアについて。自立と自律の違い・・・自己決定ができる、自分のことを自分で決められる。看取り・・・無益な延命治療はしないで自然の経過で死を見守るケアをすること。事前指示書・・・”こころ”で書く。法的責任回避の形式的な文書作成に”こころ”はない。成年後見制度。自殺・自殺企図は軽度者に多い。身体拘束。認知症の人の日常生活の制限・・・運転や料理などは本人の能力について公平な評価がされるべき。周りの人間の都合や不耐性を反映すべきではない。守秘義務。
後半は様々なケース検討がされており、勉強になる。