理想郷に住む人達 | ブログ

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みなさん、こんばんは



理想郷に住む人達
第1回目は

Aさん、女性、80代
娘夫婦と3人暮らし
身体状況は動きが緩慢だが
認知面の低下など見られず



家族と一緒に過ごすMさん


一般的に見れば
恵まれた環境と思われる


デイサービスには
運動と入浴目的で
週1回利用していた



娘夫婦には子供はいなく
娘さんは専業主婦

Aさんは何一つ不自由なく
生活している

と思われた


しかし

現実は


何もしなくていい生活

ではなく


何もさせてもらえない生活


ご飯の準備はするな
一人で立ち歩くな


何もしなくていい

そこに座ってなさい

外へは車椅子で散歩


Mさんは自宅でのことを
こう話す

『何もさせてもらえないんだ』

悲しそうな表情だった



デイサービスで
訓練を頑張っても


ゴールが見えない


身体機能が向上しても
何もさせてもらえないのでは
意味がない
そう感じたのでしょう



デイサービスでの訓練は
あくまで
自宅での生活に活かすもの
だからだ



ある日
事件が起こる


入浴はデイで1回のみ

家族より
自宅では
入れてあげられないからと

血圧が160を超えても


何が何でも
入れてくれと要望がある

その日は180を超えていた


家族へ事情を連絡する


娘さんは早口で応える


『もしなにかあっても責任を求めませんから』




Aさんは
『こわい(体が辛い)から無理に入らなくていい』



しかし
娘さんは
家では本人何もできないから
お風呂なんてとても無理


だそうだ



結局
看護師判断で
血圧が高く入浴は
危険ということで

入浴は中止

帰り、出迎えた娘さんに
そのことを伝えると
『迷惑をかけてすいません』
と入浴しなかったことを
承諾してくれた



そう感じていた
1週間後



担当のケアマネが
デイサービスに来た




内容は

デイサービスを利用中止
理由は語られず



今も
Aさん宅付近を通ると
車椅子に押されたAさんを
見かけることがある


その表情は
やはり暗い