今日の名盤紹介のキーワードは……
「1976年」
アメリカ建国200年の1976年
私が高校3年で遊びまくってた1976年
そんな1976年はアメリカ音楽史、とりわけウエストコーストミージック史ではポイントとなる年と私は勝手に思っています。
古くはビーチボーイズ始まり、バーズ、バッファロー・スプリングフィールドなどで土台が出来て、リンダ・ロンシュタット、ジャクソン・ブラウン、イーグルス、ドゥービー・ブラザーズ等が華々しくデビューしてから数年後の1976年。
「呪われた夜」の大ヒットでビッグアーティストとなったイーグルスは、巷では不朽の名盤と言われる「ホテルカリフォルニア」をリリースし
ドゥービー・ブラザーズはトム・ジョンストンが休養し、新加入のマイケル・マクドナルドとジェフ・バクスターが、今までとはまったく違うサウンドで作り上げたアルバム「TAKIN’ IT TO THE STREET(ドゥービーストリート)」をリリース
良くも悪くも、ウエストコーストミージックが広く広がり、知らない間に商業ベースのアルバム作りに傾いて行った1976年
そんな1976年にデビューした4組のグループの名盤を紹介します 。
4組のグループの共通点は、初期のイーグルスやドゥービー・ブラザーズのサウンドに非常に似ており、イーグルスやドゥービー・ブラザーズのサウンドが変化して行く中、「真のウエストコーストサウンドはこれや!」と思わず叫んでしまうサウンドです。
まず1番目は。。。。
「Fools Gold フールズゴールド」
ダン・フォーゲルバーグ(今後紹介します)のステージのバックバンドをしていた彼等を、イーグルスのメンバーの「ジョー・ウォルシュ」「グレン・フライ」、イーグルスをプロデュースした「グリン・ジョーンズ」らがプロデュースし、デビューさせました。
このアルバムは日本版ですが、アメリカ版ではジャケットにこんな説明が印字されています。
「ダンフォーゲルバーグ」のバックバンド!
「ジョー・ウォルシュ」「ドン・フェルダー」「グレン・フライ」によるパフォーマンス満載!
本人たちは微妙な気持ちだったでしょうが、まさに、イーグルスの直系バンドです!
日本でも、ダン・フォーゲルバーグが曲を提供したり、イーグルスのメンバーが参加したりで、発売前から評判になりましたが、内容も評判通りで、実にポップで爽やかなメロディーと、清涼感あふれるコーラスで、非常に心地よいウエストコーストサウンドを展開しています。
2番目は。。。。
「AMERICAN FLYER アメリカンフライヤー」
ソング・ライターとして活躍していた「エリック・カズ」を中心に、元BS&Tの「スティーヴ・カッツ」、元ピュア・プレイリー・リーグの「クレイグ・フラー」、元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「ダグ・ユール」が結成したバンドです。
メンバーからすると、ウエストコーストというよりイーストコーストぽっく感じますが、全くそうではなくなく、まるでシンガーソングライターのアルバムかと思うほどのサウンドになっています。
ジャケットも雰囲気があり、見ているだけで懐かしい気分になる名盤で。
3番目は。。。。。
「FUNKY KINGS ファンキーキングス」
ジャケットの表のデザインとグループ名からは、ウエストコーストをまったく感じませんが。。。
イーグルスにも曲を提供し、「サンディエゴの伝説的ソングライター」と呼ばれていた「ジャック・テンプチン」と、ウエストコースト一帯で地道にバンド&ソングライター活動していた「リチャード・ステッコル」「ジュール・シェアー」の3人でのセッションがきっかけで結成された6人組のバンドです。
サウンドは、3人のソングライターのいい所どりの、歯切れのいいウエストコーストサウンドです。
でっ、4番目は。。。。。
「SILVER シルバー」
イーグルスのバーニー・リードンの実の弟である「トム・リードン」、元バドロフ&ロドニーの「ジョン・バドロフ」、このあとグレイトフル・デッドでキーボード担当となる「ブレント・ミッドランド」、が中心となり結成されました。
私的にも大のお気に入りだった「SILVE」が、たった1枚だけ残してくれたアルバムです。
しかし、「リードン兄弟」って似ていますよ~
兄でイーグルスの初期メンバーの「バニー・リードン」が
でっ、弟の「トム・リードン」は
似てるでしょ~
このアルバムに収録された当時大ヒットした「Wham Bam (和名は恋のバンシャガラン)」 は今でも有線やFMなんかでも流れているので、聞けば「あ~知ってる!」って人も多いかも。
この曲をはじめ、全曲メロディアスなウエストコーストサウンドで、非常に素晴らしいアルバムです。
以上、「1976年」にリリースされた名盤を紹介しましたが、どのアルバムも私にとっては「懐かしの名盤」です。
しかし残念なのは、アメリカンフライヤーだけがセカンドアルバムを出しましたが、ほかの3グループはデビューアルバルリリース後、セカンドアルバムを出すことなく解散しました。
私にとっては「これがホンマのウエストコーストサウンドや!」と思えるアルバムでしたが、当時の音楽マーケットのなかでは「古臭い、昔のサウンド」と受け取られたのかもしれません。。。
おまけで、1976年にデビューした「FIREFALL ファイアーフォール」も紹介します。
かっこいいジャケットでしょう!
元フライング・パリット・ブラザースの「リック・ロバーツ」と元バーズの「マイケル・クラーク」によって結成されました。
今でもよく聞く、お気に入りの名盤ですが、なぜ、先の4組のグループと一緒にしないかと言うと。。。。
私の独断ですが、この「ファイアーフォール」はウエストコーストっていえばそうですが、少し先の4組のグループとは微妙にサウンドが違い、「これがホンマのウエストコーストや!」とは言えないところです。
尚且つ、4枚のアルバムに加え、ベスト盤もリリースしているので、短命に終わった先の4組のグループほど「知る人ぞ知る感」がないからです。
是非機会があれば聞いていただきたい名盤です!