漫画家・棚園正一|学校に行かなくなってからの僕の話

漫画家・棚園正一|学校に行かなくなってからの僕の話

漫画家。小1〜中3まで学校に行けなかった経験をもとに、言葉にならなかった時間や感情を作品にしています。不登校だけでなく、喪失や家族をテーマにした漫画も描いています。
最新作『ひみつ―佐世保事件で妹を喪ったぼくの話―』。講演活動も行っています。

漫画家・棚園正一のブログです。

連載作品のこと、
不登校を経験した当事者として考えていること、
行政や教育の場でお話ししている内容などを綴っています。

作品と講演、どちらも同じ地続きのテーマです。

声高に主張する場所ではなく、
少し立ち止まれる場所でありたいと思っています。

▶ 講演については「講演について」の記事をご覧ください。

漫画家 棚園正一 HP




shelfbridgeをフォローしましょう

Facebookページ
漫画家 棚園 正一



不登校・ひきこもり育児ランキング
不登校・ひきこもり育児ランキング

学校からの電話に、

少し身構えてしまうことはありませんか。

 

着信の表示を見た瞬間に、
胸の奥がざわっとする。

 

「今日は来られそうですか」
「最近の様子はどうですか」

 

責められているわけではないとわかっていても、
うまく答えられない気持ちになることがあります。

 

ぼくが学校へ行けなくなった頃、
家にも何度か電話がかかってきていました。

 

電話の内容までは覚えていません。
でも、母の声のトーンだけは、なんとなく覚えています。


少し丁寧で、
どこか申し訳なさが混ざっているような声でした。

当時のぼくは、
電話の内容よりも、
その声に胸が締め付けられる思いでした。

 

「自分のせいで、こうなっている」

そんな感覚だけが、
胸の中に残りました。

 

学校は、
状況を知りたいだけだったのだと思います。

きっと心配もしてくれていたはずです。

それでも、
親と学校のあいだに
自分の名前が挟まっている感覚は、

子どもにとっては、
思っている以上に重たいものがあります。

 

 

親もまた、

どこまで話せばいいのか
どう伝えればいいのか

迷いながら電話を受けているのだと思います。

 

学校との関係を保ちたい。
でも、子どもの気持ちも守りたい。

 

その両方を背負うのは、
簡単なことではありません。

 

いま親の立場になってみると、
あのとき母が感じていた重さを、
少しだけ想像できるようになりました。

 

正解の受け答えは、
きっとないのだと思います。

 

ただ、

電話を切ったあと、
子どもの前でどんな顔をしているか。

それは案外、
子どもの中に残るものかもしれません。

 

あの頃のぼくは、

親が完璧に対応してくれることよりも、
電話のあと、いつも通りの夕飯が出てくることのほうが、中身のない雑談をしてくれるほうが、作ったブロックのオモチャを褒めてくれるほうが・・・

ずっと安心できました。

 

学校からの電話が怖いと感じる日があっても、
それはきっと、

子どもを守ろうとしている証拠なのだと思います。

うまく答えられなくても、
うまく伝えられなくても、

関係は一度の電話で決まるものではありません。

 

電話の向こう側と、
目の前にいる子ども。

そのあいだで揺れている親の姿は、
きっと子どもにも伝わっているのだと思います。

 

 

この【不登校の親御さんへ】というテーマで、

これからも少しずつ書いていこうと思います。

よければまた読みに来てもらえたら嬉しいです。

 

 

【不登校の親御さんへ】の記事一覧はこちら