こんにちは
児童発達管理責任者・理学療法士の池田です。
晴れ渡った空に新緑の木々が美しく、すがすがしさを感じる季節になりましたね
みなさんはゴールデンウイークはどのように過ごされましたか?
今回は、ダウン症のお子さんの理学療法の目標についてお話しさせていただきます。
過去の記事はこちらです
ダウン症児に対する理学療法の目的は基本的な運動能力を早く獲得することが主と思う方も多いと思います。それも目的だと思いますが、運動発達を獲得する時の過程が大切だと私は考えています。
PTのPatricia C.Winders先生はこう言っています。
私は何年にもわたるダウン症児の臨床経験をもとに「一生動ける身体を作ることに目標を定めるべきだ」という結論に達しました。幼少時に早く歩けたとしてもそれが原因で、大人になってから歩きづらく痛みのために短い距離しか歩けない歩行スタイルを身につけてしまうこともあります。
生涯健康で動ける身体を手にいれるためには、早期に達成すべき重要な「4つの達成目標」があります。
①正しい姿勢で歩くこと
②正しい姿勢で歩くために股関節、膝関節、足関節が適切な位置にあること。
③背中と腹部の筋肉がバランスよく鍛えられ、丈夫でまっすぐな体幹を持つこと。
④肩関節の前後の筋肉がバランスよく鍛えられ、前傾姿勢にならずに肩と腕が体の側面の真ん中にくる強い腕と肩を持つこと。
これら4つの目標が達成できると生涯を通して運動し続けることができます。
ダウン症児には様々な身体的特徴があり、身体能力を身につける過程は複雑です。運動能力を獲得する過程で「ダウン症児特有の癖のある動き」がみられ、それが大人になったときに活動を制限し、痛みを引き起こす動きのパターンにつながることがあります。それが長期の機能障害を引き起こす可能性があります。
理学療法の目的は前述の4つの目標を達成することで子どもが大人になったときに必要な姿勢、強さ、運動のパターンを手に入れることです。大切なのはどれくらい早期ではなく、何をどのように子どもが学ぶかということです。理学療法は生涯を通してよりよい人生を送ることに貢献します。
「ウインターズ先生のダウン症のある子どものための身体づくりガイド」
Patricia C.Winders,PT 著 三輪書店 から引用しました。
ダウン症児の理学療法で、とにかく早い時期に歩けるようにすることと大切な筋肉を働かせるようにして歩けるようにするプログラムは異なると思います。私はお子様の動きを大切にしながら、その中で苦手な筋肉も働かせるように促し練習していきます。
理学療法の最終目標は、生涯を通して運動し続けることと考えています。それには楽しく運動することが大切だと考えます。
自分の体を思うようにコントロールして、走ったり階段昇降をしたりジャンプしたり、平均台を渡ったり鉄棒にぶら下がったり。公園の遊具で能動的に遊べるようになるとその体験は、体を動かすことは楽しいという経験になります。体を動かすことを好きになると、生涯にわたって運動を楽しみ、生涯スポーツに繋がると考えます。
低緊張なお子様ほど、生涯にわたり運動を行い、身体を鍛えるとともに健康の保持・増進をして、運動ができたことを喜び、自分でできることを楽しんでもらいたいです。人生を通して強靭な体づくりを楽しくしてほしいと願います。
🌟ダウン症児の早期療育を積極的に受け入れています。
見学やご相談は随時お受けいたしております。
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