こんにちはニコニコ心理士の佐藤です。いつもお世話になっております。

 

先週は急に冷え込む日もありましたね。まだまだ寒い日が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

 

前回のブログでは「アンガーマネジメントについて その①」と題して、イライラや怒りプンプンに対する基本的な考え方をご紹介しました。

 

まだ読まれていない方は、是非、こちらをご参照くださいウインク

 

 

 

第2弾である今回のブログでは、イライラや怒りに対する具体的な対処法について、いくつかご紹介したいと思います。ご参考になる点があれば幸いです。

 

【イライラの対処法】

★まず最も簡単にできる対処法は、深呼吸です。深呼吸はいつでもどこでも行うことができますね。ポイントは吸う息よりも吐く息に注目して、6秒間くらいかけてしっかりと息を吐き切ることです。口をすぼめて、細く長く吐き出しましょう。

 

深呼吸はイライラしたときだけではなくて、普段から朝晩の習慣にすると良いでしょう。続けていくと自律神経が整い、自然とイライラしにくくなると思います。

 

★頭の中で引き算をすることも効果的です。暗算をすることで脳の理性を司る前頭前野が活性化するため、イライラの感情に乗っ取られにくくなると言われています。

 

具体的には、100から3ずつ引いていくのが良いでしょう。子どもの場合なら、10から3ずつ引いていくのでも大丈夫です。

 

★目の前にある物に意識を集中して、色や形、傷や汚れ、模様や文字などを細かく観察することも役に立ちます。観察する対象は文房具でも壁でも、何でも構いません。

 

これは意外な方法に思われるかも知れませんが、このように「今ここ」に意識を集中することで、湧き起こる怒りの感情や思考から離れ、冷静さを取り戻すことができます。

 

★イライラに「温度」をつけて数値化するのも良い方法です。イラッときたら、その都度、こころの中でイライラの温度(1~10)をつけてみます。

 

こうすることで怒りを客観視することができ、少しずつ冷静な行動をとれるようになるかも知れません。子どもが怒っているときにも、温度を聞いてみるとよいでしょう。

 

★イライラしたことを記録する「アンガーログ」も有効です。アンガーログ・ノートを作り、「いつ」「どこで」「どんなことがあったか」「どう感じたか」「どのように行動したか」などを書き出します。

 

こうすることで、怒りを客観視できるようになります。また、イライラのパターンが見えてきますので、適切な対処もしやすくなると思います。

 

時々、親子でアンガーログを見ながら話し合う機会を持つのも良いでしょう。また、アンガーログは、お子さんの怒りについて学校の先生や心理士に相談する際にも活用することができます。具体的な記録があるため、的確なアドバイスが受けられると思います。

 

【最後に】

2週に渡ってアンガーマネジメントについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

 

イライラや怒りも人間として大切な気持ちの一つであることをご理解いただくとともに、様々な対処法を知っていただくことで、少しでも怒りの感情との付き合い方が変化していただければ嬉しいですニコニコ

 

大人がイライラの感情や怒ることを否定していると、子どもは「怒りの感情は持ってはいけないもの」という思い込みを持ち、自分のイライラを封印してしまう場合もあります。

 

その場ではそれで良いかも知れませんが、抑圧されたイライラや怒りの感情は、思春期や青年期になってから、さまざまな深刻な問題行動として現れてしまう場合もあります。

 

まずは親御さんがご自分の怒りの感情を「大切なもの」として受け止め、適切に付き合うことで、子どもがイライラを適切に表現できるようにサポートしていきましょう。

 

もちろん、最初からうまくいくとは限りません。私自身も時には失敗しながら、学んでいる途中です。アンガーマネジメントは繰り返し取り組むことで習慣になり、次第に意識しなくてもできるようになっていきます。一緒に練習していきましょうウインク

 

まだまだ寒い日もありますが、みなさまどうぞ暖かくしてお過ごしくださいね。

 

 

【参考文献】

『親子でできるアンガーマネジメント』小尻美奈