と、山羊は思ってました。
ハリウッドボウルのライヴCDの発売に合わせて公開された、ビートルズの最新映画。観に行くことにそれほど乗り気ではなかったんだけど、ライヴ録音を改めて聴いてみると、やっぱりかっこいい!
山羊はハリウッドボウルのライヴレコードが出た時にすぐに買って、それ以来、たまに取り出しては聴いてきました。その度に、どうしてCD化されないんだろう、と不思議に思っていました。
今回やっと、例によって未収録曲も付け加えられてCD化。そして改めて聴いてみると、ビートルズは確かに偉大なライヴバンドであったことが、はっきりと記録されている。
それで、これらの演奏が、どんな状況で記録されたのもう一度検証したくなって、歌舞伎町の映画館まで足を運ぶ気になったのでした。
この”Eight Days Week”という映画は、”ライヴ活動を行なっているビートルズ”と、それに対する”ファンや社会の反応”ということに特化して描かれている。ビートルズの音楽の価値や芸術性については何にも語られない。ただ、ヒットチャートの一位に何週間いたか、という即物的な情報のみ。
こういう描き方に徹したおかげで、タイムスリップしてビートルズの”touring years”を生きているかのような臨場感を感じることができた。
嘗て何度も見た白黒の映像に着色してあったり、写真に写った煙草にCGで煙が描き足されていたり、あのシェイ・スタジアムのライヴが4K版として美しく蘇ったり、
最新技術も使われているけれど、それらはみな元の素材を損なわないようにさり気なく使われている。
これも、その時代に入り込みやすいように考慮された結果だと思う。
さすがロン・ハワード!
なぜドル箱のツァーを止めてしまったか、初めて共感できる、本当の意味で理解出来る、説得力に満ちた映画でした。
当時の音楽状況やそれを取り巻く社会情勢を知る意味でも、貴重な記録です。
ビートルズを聴く、というだけで、良い意味でも悪い意味でも個人として歴史にコンタクト出来た眩しい時代の記録・・・
音楽ファンはぜひ!
