↑のCMがテレビで流れていた頃の私は、まだ三重の田舎に暮らす、色々なバンドが好きな、夢多き若い女の子でした。
・・というとまた「お前が"女の子"なんてぬかせるガラかよpgr」されるかもしれませんが、私だって生まれた時からオバハンだったわけじゃない。
恐らくはこのCMに出ていた子達と、ほぼ同世代だと思います。

「距離に負けるな、好奇心」。
このキャッチコピーが当時、私の心をどれほど叩き何度突き動かしたことか!
だけど我が家は両親ともに厳しく、私22歳で社会人の時点で、門限が8時←実話です。
ちょっとでも遅くなると、勤務先にまで確認の電話をかけてくるので(1990年代半ばは、まだケータイは普及しておりません)、ひたすら大迷惑ガーン

「見たいライブが名古屋であるで、行きたいんよ」と一言でも口にした日にはもう・・両親から「いかに名古屋が危険な場所か」「若い女性の夜の一人歩きがどんなに危ないか」と延々説教アセアセ
特に母は病的な心配性だったので、たかだか「ライブを見に、友達と近鉄乗って名古屋行きたいん」のいう話だったはずが。
なぜか「あんたみたいなアホな子は、名古屋の地下鉄の中でスリや痴漢にあって、あげくのはてには襲われるに決まってる。いくらあんたみたいな、みっとみない子(みっともない・・母から見て"エイリアン、化けもん"って意味なんです)でも、男はヤルことヤレればええんやから。そういうことされて傷もんになったら人生終わりやでな!!まで行き着きます。
しかも、まるで"実際に自分の目でそんな場面を見てきたように"断言しよりますから。

どんだけうちの親に「恐怖に満ちあふれた、治安の悪い街」だと思われとったんや名古屋?一昔前のNYとか今はなき香港の九龍城砦じゃあるまいし。

しかもうちの父、勤め先が定年まで名古屋の会社だったんですが、一体何を見てきたんやろう?
ちなみに私は名古屋市民になってほぼ20年、学生や社員として通っていた時期を含めるともっと長い間名古屋市内を行き来しとりますが、スリにあったこと1度もないですし、痴漢はものすごく若かった頃にお目にかかったことがあるものの、今は名古屋の地下鉄ってめちゃめちゃ安全ですよ。
もちろん、20年も暮らし続けて、これからもずっといたいぐらい、街の住み心地も気に入ってますハート←感想には個人差があります、念の為。

・・今から二十ン年前の我が家で、私一人が。
たかだか「ライブに行きたい」と口に出すだけで父は激怒、母は大泣き・・で毎回必ず「私はボロボロの傷ものにされて人生END決定→よって名古屋行きは絶対許さん!!」という、とんでもない結論に落ち着くのが常でした。


↑の「アリスのエクスプレス」のCMが流れていたのは1988年。もう30年も前なんですね。つくづく年齢を実感せずにはいられない今日この頃ガーン

"距離に負けるな、好奇心"っていうけどな、私ここ(実家)におる限りは好奇心負けっぱなしなんやろうな」。
あの頃はそう思いながら、ただ恨めしそうに名古屋の方角を見つめるしかなかったのです。

親から離れたくて、大学受験で東京へ出たかったけどやっぱり反対され、愛知県内の某福祉系大学(ええあそこです、地元の人ならバレバレです)に推薦が内定していたのに、それも「将来そんな、ばっちい仕事(両親は福祉関係の仕事は「汚い」と言い張っていた)に就かせるために、お前を育てたつもりはない!!」と激怒され、断りを入れるはめになりました。
それを押しきるほどの強さは当時の自分にはなく・・半分言いなりで語学系の学校に入り、就活時には「安定度が違うし、大体一般企業はあんたには勤まらん、絶対無理」とほぼ強制的に公務員試験を受けさせられ、やりたくない仕事を何年かやった人間です、私って奴は。
皮肉にも現在、当時私が取りたかった資格を持っている方々に、私自身がお世話になっているのよね汗
そしてかつて「汚い」と蔑んだ福祉関係の方々に、両親も今では目一杯・・"ばっちい面も含めて"お世話になってます。


だからその後、転職し名古屋の会社に勤め始め、お金を貯めてついに名古屋に移住!!を果たしてからはもう、思いっきり弾けまくりましたな儂星
自分で稼いだお金で市内だけでなく、海外までライブに行ってしまった(香港3回、シンガポール1回。ちなみに親は「海外旅行も危ないから許さん!」人だったので、このこと未だに話してません)のですから。
若さはある意味、無謀とワンセットですあせる
そして名古屋で、北陸出身のケンケンと偶然に巡り合い一緒に暮らし始めてからも、そういう楽しさは続いていました・・しばらくは。

しかし、結婚してある程度歳を重ねてから。
思い通りにならないことがたくさん出てきたんです。代表的な危機が・・
まず旦那ケンケンが、リーマンショックの煽りを受けての所謂"ハケン切り"で一時失業。時を同じくして、私もかねてから患っていた持病が悪化し、継続して働くのが困難になりました。
それでもお腹は空くし、住んでいる家の家賃は払わんといかん。この頃のことはあまり思い出したくもないけど・・本当にしんどかった。
私、しょっちゅう泣いて怒って、物投げまくってた記憶があります←エイリアンですから、ある意味めちゃくちゃ凶暴爆弾

最近になって周りの色々な人の力をお借りしつつ、徐々に生活が落ちつくにつれて、私もケンケンもかつてのミーハー心がうずき始めました。
いや二人とも、そんな気持ちをなくした時期なんかない。ただ、辛すぎてほんの少し忘れてた・・違う、しばし封印してただけ。
今やケンケンはAKBグループにどっぷりハマり(6/16のナゴドでの総選挙、チケット取れなくて現在キャンセル待ち中)、私は8年前にとある方々に出会って、彼らから改めてこの名古屋の地がいかに素晴らしい場所か、教えていただきました。

その中のお一方(役者さんです)が今回、東京での舞台に出演されると決まった!!と知った瞬間。
30年も前に「距離と親に」そして近年は「お金と生活に」負けっぱなしで、眠っていた私の好奇心が激しい勢いで目覚め、大暴走し始めたのです。
「6月やったら今から2ヶ月あるやん、そしたらお金は何とかなる!後は体のことと、移動手段や宿泊先やら♪エトセトラ~エトセトラ~(中略)、あの方に会いに行きたい、いや絶対行くで!!」と東京行き即決、我ながら無謀。
その話をたまたま、以前職場で一緒だった友人に話したらなぜか「私、一緒に行ってあげるよ。東京慣れてるから」・・とこれまた即決定
しかも彼女は宿泊先の予約だけでなく、今回の旅のスケジュールまで組んでくれました。あらまぁ、土地勘ある人が一緒やと心強いわびっくり


今回、10年以上ぶりに遠出をする、というのでこんなん買っちゃいましたよ↓
いや~最近のスーツケースって、めちゃめちゃ軽いんね。しかもカラーバリエーションも豊富やし。
とはいえネットの写真と現物は多少差が出るもんでして・・想像以上に可愛らしいカラーのものが来てしまったので、ちーと恥ずかしいですが照れまぁ、舞台に行く前にホテルにチェックインして、大荷物は置いてくるからエエか。

よし、ほなら、ぼちぼち冒険の旅に出かけよか。頭の中ではずっとラピュタの「君をのせて」が流れとるよ。
明日の早朝、舳先がカモノハシの形をした光る鉄の船(N700系新幹線)に乗って、荒れる海(人が多そうな東京)へ1泊2日の大冒険の旅に出発や~!!"
・・大袈裟だと笑いたきゃ笑え。10年以上、今暮らしてる場所から出とらんで、しかも人の多い場所が怖くてほとんど動けんかった私からしたら、こんなん「大冒険」レベルやわ。気持ち的には海外行くのと一緒!
さて、トウのたった一昔前の"アリス"こと私は、果たして東京に無事に行って、名古屋に無事に帰ってこれるのか?
予定では明日の今頃は、池袋周辺でウロウロしているはず・・です。午前中は上野動物園に行く予定。シャンシャンに会えるかな。

旅の結末は、まだ私の心の地図にすら載っとらんし、誰にもわかりません。だからこそ冒険なんやって。
あ~ドキドキワクワク、今晩寝れるかな。明日は朝5時起きやよ、ちゃんと起きれるかそれがまず心配や~キョロキョロ←オチはそこかい炎