女性の占い好きは、洋の東西を問いません。

〈当たるも八卦〉は暗黙の了解、そんなのは百も承知ですから。うんうん、優しい世界。

 

 

動画と占いコンテンツは相性が特にいいのでしょう、タロットカードやルノルマンカード占いのチャンネルは大変な人気です。

毎日のように、続々と新規参入が続いている印象があるくらいですから(あくまで印象)。

 

まあなんと言うか、占いって誰にでもできそうな気がしてしまうのが魅力なんだけど、同時にそこが危険でもある、そのように思います。

カード占いに限って言えば、表象や約束事を覚えれば、簡単なリーディングはできるんでしょう、たぶん。

家族や友人を占ってあげる程度なら十分なレベルなんでしょう、きっと。

 

 

しかし、占いの動画チャンネルを軌道に乗せようとなると、相当ハードルが上がります。

最後まで飽きさせずに視聴してもらうだけでも大変だし、チャンネル登録まで誘導するなんて並大抵のワザじゃない。

そのくらいは私にも理解できますからね。もう、尊敬しかないわ。

 


 

 

いろいろ観ていて分かったのは、登録者数上位の占いチャンネルは、未来を“言い当てる”から人気なのではなく、ユーザーから見て「いつも、言ってほしいことを言ってくれる」チャンネルだから支持されるのだ、ということです。

人気占い師はそうしたツボを熟知して実践できている人なのです。

 

誰にも話していない夢、どこにも相談できない悩みについて、ピンポイントにアプローチしてくる占い師さんは、

よき相談相手として人心をつかみます。

 

「その葛藤はもうすぐ終わりますよ」「その障害は近々解消されて、良い方向に向かいます」と言ってもらうことで、

孤独な現代人はひそかに心の重荷を降ろしているんですね。

 


 

さてせっかくなので今回、勝ち組占いチャンネルの必要条件というものを、ユーザー目線で考察・分析してみました。

良チャンネルを見分ける際にも役立ちますよ~。

 

 

1)声質、滑舌の良さ

聞き取りやすい声質、語尾まで明瞭なしゃべり方。アナウンサーのようにはいかずとも、明るくはっきりした声で。

ボリュームを上げても聞き取れないボソボソ声やこもり声、語尾の不明瞭な発語は、結構なストレスを与えます。

 

2)語彙の豊富さ

ボキャブラリーの豊かさは絶対条件。特にジェネラルリーディングの場合、

細かいニュアンスまで正確に表現できないと誤解や不快な印象を与え、ユーザー離れにつながります。

 

3)社会経験の豊富さ

経験による“引き出しの数”は、占断のクオリティに直結します。

お勤め経験ゼロでは、仕事運やお局トラブルなど語れるはずもないし、金運についてはお金周りの知識が必須。

育児や介護も、経験に勝るものはありません。

 

4)適度なバランス感覚

相手の立場や心情を慮って寄り添える、“普通の日常感覚”は不可欠。

「こんな小さなことでもいいので、やってみて」のように、より現実的でイージーな逃げ道を示せることは重要です。

 

 


 

 

ついでに、これこそがキモと言えるダメポイントも。

 

① あまりに長尺

「え~とぉ…」「っていうか~」などの余計な文言が多い、あるいは同じ内容や言葉を繰り返すのは、単なる“時間稼ぎ”。

多忙な人は中途離脱ほぼ必至。

 

② 展開カードが多すぎる

画角からあふれるほど多くのカードを引きまくられると、占断スキルそのものに疑念を抱かざるを得ません。

たくさん引けばネタは増えますが、ダラダラ長いと内容は薄まるだけです。

 

③ やたらに笑う、あるいは妙にハイテンション

不自然な笑いを挟むのは、何かをごまかそうとしている印象があり、不信感しか生みません。

また、個性的なキャラ作りを頑張りすぎてか、おかしなテンションの不思議ちゃん、イタすぎて内容が入ってきませ~ん!

 

 


 

占いはあくまでエンタメ、娯楽の範囲で楽しむくらいにとどめておくのが健全です。

時には、違った視点でのアドバイスから新しい気づきやヒントが得られるのも、占いのメリットの一つ。

独りで抱え込んでウツウツ過ごさずに済むんなら、利活用すればいいじゃん、そのように思います。

 

なので、占いは非科学的だなんだと頭ごなしに否定や批判をするのはあまりに狭量であって、

そういう人は人生に遊びが足りないのでは、と正直、思わざるを得ません。

 


 

……但し! 但し、ですよ。

一部の占いの延長線上に見受けられる、法外な価格の開運アイテムやら、何たらかんたらの高額なセミナー等々、

あれらにおカネをつぎ込むことには当然ながら大反対です。

 

昨今、増殖する一方の怪しげなスピチューバーは、心のあらゆるスキを狙っています。

占いと巧妙なスピリチュアル・ビジネスは、時には表裏一体。

そう心得て、頭をクールに保ち、はっきりと線を引きましょう。


 

 

パワーストーンの石材なんて、仕入れの原価はいくらもしないものです。

アクセサリーの材料屋さんに行って、気に入った石を自分で買ってゴムひもを通せば、数百円で作れます。

 

というか、そもそも石そのものに、言われるようなご利益があるのかどうか、冷静に考えてみてください。

……もちろん、賢いあなたなら、大丈夫ですよね!

 

 

Sheila

 


 

Illustrated by Serafina


 

★画像およびイラストの無断転載を禁じます

★不要不急応援ブログ『塩キャラメルをひと粒』https://sheilacat.blog/