※イラストはイメージです
日本での開催が8回目となる世界フィギュアスケート選手権2023は、日本勢が男女シングルで共に連覇、そしてペア競技もVという史上稀に見る快挙を成し遂げる喜ばしき結果と相なりました。
声出しも晴れて解禁、なのでこの際みんなで、万歳三唱っ!!!
しかしなんせフィギュアスケートのこと、今回も表彰台までの道のりが平坦なはずはなく、アクシデント含めいろんな出来事がありましたよね。
たとえば、宇野昌磨が大会直前の練習中に負傷してリンクに倒れてる画像をネットで見た私、「しょーまが足首いわして欠場かも!? どーしよぉぉぉ~~!」とか脊髄反射で友人にLINEしてしまったもんなあ……いい歳こいて見苦しく動揺して、お恥ずかしいことです。
足首のケガはこれが初めてじゃない彼ですが、今回は若手ライバルの存在に加えて連覇のプレッシャー等々あって、特にメンタルが試される試合だったのではないでしょうか。
ともかく無事、結果を出せたのは本当に良かった。終わりよければってやつか。よしよし、でかしたでかした、よくぞ耐えたこらえたがんばった。……あーこらこら、演技が終わったからってそんなとこで寝てはいかん、いかんと言うに!
フィギュアスケート史上、初めて脚でVサインしたヤツとして記録にも記憶にもがっつり爪痕残した、世界王者しょーま25歳の春。
坂本花織の何がスゴいって、悔しさに嗚咽してたと思ったら表彰式ではいつものニッコニコな笑顔ではしゃぐという、あの感情表現の切り替えの鮮やかさもその一つかも知れません。
何せ2019年の失敗が頭から離れなかったかおちゃん、今度こそは、と雪辱にかなりの意識を集中していたと思われ……
だから、ここにきて同じ轍を踏むというまさかの展開に、事情通なら驚かないはずはないと言いたいところなれど、こういうパターンってスケートでなくても意外にあることなんですよね。
人は、「ここで失敗したらダメだ、ダメだ、イヤだ、失敗しちゃダメだ~!」と思い詰め過ぎると、かえってその通り失敗しちゃうことがあるんです、怖いことに。
海より深い潜在意識レベルの話になるのでしょうが、イメージトレーニングの段階で何らかの雑念が入ってしまっていた可能性とか、素人なりにいろいろ考えてしまいました。
思考はときに、本当に現実化するのですね。
でもね、例の3Fが抜けても次の3Tでちゃんと巻き返すとか、超人の域ですよー! 並みの選手じゃ、ああはいかないんでは。
優勝が決まったのになんであんなに泣くのか分からないという意見も、おかしくはないんだけれど、世界の女子フィギュアを背負って立つ女王には耐えがたい痛恨のミスであったのは事実。
この悔しさ、まだまだ超えるべき試練としてスケートの神様から与えられたものと捉えましょう。そうすれば、我々はこの先もしばらく彼女の活躍を観ることができるわけなので。
メダルも期待された三原舞依は5位、渡辺倫果が10位で、ともに課題が残る結果ではありましたが、理屈より場数を踏むことにも十分意味がある! ので、みんなもう四の五の言わずにガンガン進むしかないんだよ。
一回の本番は百回の練習に勝る、が私の信条ですから(誰も聞いとらん)。
舞依ちゃんは今回、健闘はしたものの、やや集中に欠け、いつもの魅力が出しきれていない印象がありました。
しかしだ、それよりヘアメイクのアドバイスをしてあげる人っていないのかなあ、といつも思うんですが。ん~、誰かぁ。
一方、最近のリンカの目ヂカラときたら、三苫に匹敵する凄みを帯びていて、これからもっと何かやってくれそうな頼もしさ十分ではないですか。
だからさあ、あとは結果を残すことだけなんだよ! ほんと、それだけなんだけどなあー!!
友野一希、6位というまた微妙に惜しい位置に……どうやったらここまで微妙でいられるのか、何か秘密がありそうな(無いです)。
あんなに踊れる技術とセンスのある人、日本人では珍しいのに、ジャンプが揃うことが少ないのが本当に残念でしょうがない。
エキシビでは例によってはっちゃけてくれたらしいので、今夜のオンエアを楽しみに……
今季復活の話題で注目の山本草太は、今試合では調子が出せず15位となりました。
天性の芸術家肌とは反対の、謹厳実直な実務家肌と言いますか。予想外のとんでもないものは出てこない代わりに、いつも安心して観ていられる、そこが彼の持ち味なのでしょう。
そんな王道スタイルを極めることもひとつの在り方には違いないので、これからも脚をいたわりつつ精進されんことを祈ります。
りくりゅう、かなだいらのカップル競技は、地上波オンエアの都合上、結果を知ってからVTRで確認するのがデフォになってしまってる私。
正直、こういうのってどうなのと思わないではないながら、日本人選手の活躍は素直に喜びたい、そう思うことにします。
ちなみにこのところ、リンク外での三浦璃来のリアクションが面白すぎるんですが、自信つけたこともあるんでしょう、すごくキレイになりましたよね。
ムーミン的なほんわかフェイスだった村元哉中も、ずいぶん引き締まって大人のイイ顔つきになっていたし。
ジュニア枠だった三浦佳生でさえ、メダルの実績を重ねると共に表情がだいぶマシになってきた、いや失礼、変わってきたと思うんですが。
以前から言及する通り、人は生まれ持った顔立ちは変えられなくても、顔つきは心のありよう次第でどんどん変わっていくものなのですね。
幸せな人、そうでない人、たくさん苦労をした人、頭をよく使った人、それぞれの経験がその人だけの顔つきを造っていく。顔が、唯一無二の“履歴書”と言われるゆえんです。
フィギュアスケートはいろいろと特殊なスポーツですが、上位選手の顔つきの変化(進化)がよく分かる点でも抜きんでて特殊なのかも知れません。
人は、適切かつ健全な自己肯定感があれば、いくつになっても成長し、進化していける。
日々、目標に向かってひたむきに邁進する選手たちから、そんな気づきと嬉しさをもらった大会でした。
というわけで、来月に控える国別対抗戦2023、さてどんな顔ぶれになるのやら?
Sheila
Illustrated by Serafina
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