コロナ禍も収まらないところに、連日体温超えの熱波に見舞われ、いい加減バテバテでございます。
目を開けていられないほど真っ白い太陽光、そこへ突然の雷に大雨……
いろんな意味&局面で、景色が変わったと言わざるを得ません。
それと関連して。
世界中がパンデミックで右往左往する2020年の終わり頃、占星術で言う〈地の時代〉から〈風の時代〉に移行するとして、一部で大騒ぎしてましたよねえ。
このイベント、なにしろ約240年ぶりの大変革だとかで、占星術マニアではない層まで取り込んで盛り上がる動きがありました。
かく言う私も、占星学の難しい理屈はサッパリながら、制度疲労で硬直化した社会にうんざりしていた中で、わずかな期待と共に不安な時期を乗り切ろうとしていたことを思い出します。
あれら一連の〈風の時代〉的な発想を、科学的根拠の無いたわごとだと一蹴し笑うことは簡単です。
怪しげなスピ沼にハマったヒマな連中が騒いでるだけだとか、よくある「○○月に×××が起こる」的な“トンデモ予言”は当たったためしがない、という意見も、まあまあ正しい。
確かに、だいぶアレな人々の妄言を真に受けるのは愚かでしかありません。
でも、そうした要素を除いてなお、私にはどうしてもこう思えてならないんですよ、
やっぱり世界は、マジで2020年から切り替わったよね?
変わったよね??
変わったよね???
……2020年のパンデミックを機に、人類社会は目に見える形で変容した、この点だけは間違いないと断言します。
〈古い常識・知恵〉というものは、たいがい理屈を超えた思い込みとして脳裏にへばりついているので、書き換えが極めて困難です。
しかし今回のパンデミックは、こうした因習から離れたくない人に対しても否応なく揺さぶりをかけ、選択肢のない変化を強いている。
こんな出来事、誰が想像できたでしょうか?
日々、多くのストレスと闘いながら、全てが悪いことばかりでもなかったりします。
コロナ禍をきっかけにやめたこと、手放したモノ、さらには新しい出会いもあったでしょう。
古い価値観や規範から抜け出すチャンスが、ついに訪れたということです。
垢じみた古い服やバッグを「ブランド品だから~」「高かったから~」と、いつまでも手放そうとしない人が、おしなべて滑稽に見えませんか?
義理人情に縛られ、肩書でマウントとってドヤ顔する人が、哀れに思えてきませんか?
恋愛観や結婚観の変化、差別や偏見への議論の高まりなども、またしかり。
どれも一朝一夕には解決せずとも、ハタと“憑き物が落ちた”的な解放感が、国境を越えて個人と社会の両方に沸き起こり、世論をザワつかせる構図が見え始めています。
これらの流れをひと言で表わすのに、やはり〈風の時代〉以外にふさわしい言葉を、私は思いつきません。
やっぱり〈風の時代〉というたとえは言い得て妙である、それだけは主張したいのです。
厚く積もった古いホコリを一掃するのが〈風〉の仕事なら、新鮮な空気をもたらして環境を刷新するのも〈風〉の性質です。
人様に見せられないヤバいモノも、これまでは辛うじて隠しおおせてきたかも知れませんが、昨今の〈風〉はその汚れた覆いをどんどん吹き飛ばしにかかっています。
ただ一方で、コツコツ積み上げてきたものが、破壊的な〈風〉の力で無慈悲になぎ払われるようなことも時にはある。その覚悟は必要かも知れません。
今、眼前に広がるのは、手本できる前例やモデルの無い、果てしな~く自由な世界です。
あまりにまっさらすぎて、どこから手をつけて良いやら途方に暮れ、とまどい立ちすくんでいる……何とも不甲斐ないけれど、これが私たちの現在地なんですよ、たぶん。
さて、行き着く先も分からず嵐の海に漕ぎ出した不器用な人類も、いつかはユートピアにたどり着けるのでしょうか?
かつての〈地の時代〉なら、「それは自らの手で創り出すものだ」とか予定調和な模範解答をしておいて、周りをキョロキョロ見回すだけで、結局何もしなくて良かったのです。
誰かが前例に倣って、いつの間にかテキトーに作り上げてくれていたから。
しかし〈風の時代〉にあっては、だいぶ意味合いが違ってくると私は考えます。
その答えは一つじゃなくて、おそらく人の数だけあるんですよ、きっと。
まあ、つまるところ、〈風の時代〉のキーファクターである〈風〉の正体は、
「人類社会のOSの書き換え作業を担う、SEみたいなもの」
……そのように考えれば、何かと合点がいきませんか?
本テーマ〈風の時代〉については、今後も風向き次第で随時、ゆるっと考察してまいります。
もちろん、占星学界隈とは一定の距離を保ちつつ……
そうそう、皆さまにおかれましては、向かい風をうま~く受け流して体力温存に努め、この途方もない猛暑を乗り切ってくださいねー!
Sheila