「眉ひとつで顔は変わる、印象は眉でいかようにも変えられる」

……このように、眉メイクの重要性を提唱したのは、かの藤原美智子センセイが最初だったのではないか、と思っています。

 

そこからおよそ30年、同センセイもご自身の動画チャンネルでメイクのハウツー紹介をする時代になりました。

が、それらをざっと拝見してみて、改めて「眉のセルフメイクは、プロでも難しい」との確信を得るに至ったのでした……

 

 

一体なぜゆえに、眉づくり&眉描きは、他のパーツに比べてこうも抜きんでて難しいのでしょうか???

 

 

 

 

イラスト担当のSerafinaによれば、一般に眉描き作業が難関となりがちなのは、「眉はそれ自体が一つのアートだから」だそうです。

 

眉は“描く”と表現するくらいなので、確かに多少の絵心が必要であることは、うっすら理解できます。

 

形の取り方だけでなく、左右対称にバランス良く描くには、“絵描きの目と手”が不可欠だからです。

 

さらに、自身の美的センスや美意識など、持てる能力の限りを総動員することになる。

それほどハードルが高いんですよ、眉描きってやつは。

 

眉が薄い、もしくはほとんど無いタイプの場合、眉ゾーンはまっさらなカンヴァスと同じであって、顔で一番目立つ場所にイチから絵を描いていくような、まさに冒険となるわけです。

絵心と美的センス無しには、そりゃ恐怖で立ちすくんでしまいますよ……

 

 

 

 

 

わずかな失敗で、とたんに“ヘンな顔”を演出してしまう眉にも、審美的な〈黄金比〉が一応ですが存在します。

これまで美容雑誌やサイトでくさるほど紹介されてきた、「瞳の外側に眉山のピークを合わせ、目尻~小鼻を結んだ延長線上まで眉尻を描く」云々のセオリーです。

 

ココさえ押さえれば、なるほど平均のちょっと上くらいにはマシになれるよという“絶対形状”的な王道プロポーションとされています。

 

 

長年の研究から導き出されたであろうこの〈黄金比〉、落としどころとしては見事だし、高評価もやぶさかではないが……

言うは易しで、これこそが難しいんだ、とあれほど言ってんのになあ。

 

 

要するに、「基本は教えた、あとはお前たちで何とかしろ」が、眉描きの本質なんですね。

この、カッツェ様さながらに無情な突き放しにもくじけない根性が、求められるのです。

 

 

 

 

 

さて今回のトップ絵は、私が崇拝する永遠のスター女優、マリリン・モンローです。

彼女の眉は、これだけでもアイコンになり得るほど彼女と不可分である、とSerafinaは言います。

活動時期で微妙な違いはあるものの、この強烈なスクエア眉が無かったら、永遠の大スターとして名を残せていたかどうか、そこは全く同感ですね。

 

 

 

欧米人(白人、黒人、ラテン系など様々)の場合は、大きなアーチ眉など、派手で技巧的なスタイルでもそれなりに似合う骨格を持っています、うらやましい。

 

特に往年のハリウッド女優などは、皆さん眉だけでもたいへん良い教材になるので、おヒマなときにぜひググってみてください。

 

 

ちなみに、何ですかSerafinaのやつ、モンローの顔と鉄腕アトムは脳内インストールされてるから資料無しで描けるぜ、とまたドヤり出したので、そこで電話を切りました。

 

 

 

 

眉描きは基本、誰にとっても難しいのです。

でも、研究するほど想像以上に大きなリターンがあると、ここで申し上げておきましょう。

 

だって、“究極のマイ眉”探しの旅は、眉にとどまらず、自分の美意識の総合点を確実にかさ上げしてくれるんですから!

 

Sheila

 

 

Illustrated by Serafina

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