「下垂体から出血してるんですよね…」
脳神経外科の先生から出てきた言葉は予想もしていませんでした。
下垂体。いつかの理科の時間で勉強したことがるような、ないような。
確か、ホルモンに関係していたかどうかくらいの知識しかありません。
嫌な汗をかきながら、なんとか心を落ち着かせて聞き取った説明は次のようなものでした。
・下垂体から出血している
・出血による頭痛があったのではないか
・下垂体の側に視神経が通っている
・出血の影響で視神経に影響が出ている可能性がある
・血は吸収されていくので消える
以前から頭痛はあったものの、目の見え方に異常はありません。
だとしたら、このまま放っておいていいのか?
ん?何かおかしい?
現状を説明するためのパーツが全部揃っていない。
…なんで下垂体から出血してんだ?
そう、何が原因で下垂体から出血しているのか、先生からの説明はまだありませんでした。
私「すみません、なぜ下垂体から出血しているのですか?何も無くても自然と出血する可能性はあるんですか?」
先生「いえ、だから、ここにあるんですよね…モノが」
私「モノというのは腫瘍ということですか?」
先生「そうですね…ここにありますね。下垂体腺腫だと思います。」
再び自分の顔から血の気が引いていくのがわかりました。
その後、なんとか正気を保ちながら聞き取った説明は次のようなもの。
・下垂体にできる腫瘍の大半は良性腫瘍
・下垂体腺腫も良性腫瘍の一つ
・基本的に経過観察
・腫瘍が大きくなって視神経を圧迫するようになると手術
・視神経が圧迫されると見えづらくなったり、視野が狭くなる
良性腫瘍。そうか、良性か。
良性という言葉と、目に影響が出ない限り手術の必要もないということを聞いて、少し安心し、血液検査用の採血を受けて、この日は帰りました。
しかし、自分の頭の中には腫瘍がある。
この現実は重く自分に重くのしかかったままでした。