年が明けた2021年1月上旬、私は初めてA大学医学部付属病院の脳神経外科を受診しました。

 

担当してくれたのは、脳外科の教授の先生でした。

 

紹介状と共に提出した先の病院でのMRI画像にもとづく診断でしたが、結論からすれば頭蓋咽頭腫の可能性が高いとのことでした。

 

私「やはり手術した方がいいのでしょうか?」

Dr「そうですね。そういうことになるでしょうね。」

 

やっぱりか…。

 

手術は避けられない。しかし、それで良くなっていくなら、それでいいや。

とにかく、前向きに考え直そう。

目と頭の異変に付き合い始めてから、前向きに考えることを意識するようになっていました。

 

初診のこの日は、事前に検査の予約もできていなかったので、診察だけで終了。

2、3週間後しかMRIの予約が取れないため、診察もそれまでは無しということで終了しました。

 

帰宅後、妻に診察の内容を伝え、今後、手術になることを伝えました。

 

帰宅後、2、3時間経った頃でしょうか。見慣れない電話番号から着信が入りました。

恐る恐る応答すると、電話の相手は今日診察を担当してくれた、A大病院脳外科の先生でした。

 

Dr「近日中に検査を受けて下さい」

 

Drの説明によると、カンファレンスの中で次のような話し合いがもたれたようでした。

・1年前に脳ドックの検査で異常がなかった(もともと頭痛持ちだったので、人間ドックのオプションで脳ドックを受けた)

・そこから1年ちょっとで腫瘍が大きくなるペースが速い

・このペースからすると頭蓋咽頭腫以外の悪性の可能性が考えられるのではないか

→予定を繰り上げて検査しましょう

 

私「つまり、悪性の可能性があるということですか?」

Dr「そういうことです」

私「要は、体の他のところにも転移するような…」

Dr「それは検査してみないとわかりませんが、可能性はあります」

 

全身の血の気がスゥっと引いていきました。

 

私「ちなみに、考えられる病名としてはどんなものがあるのですか?」

Dr「そうですね、シンケイコウシュ、ハイサイボウシュ、コウガシュなどが考えられますが…」

 

なんでこんなことを聞いてしまったんだろう。

聞いたこともない、漢字もわからないような病名を耳にしてしまい、ただただその重圧に押しつぶされそうになるばかりでした。

 

Dr「とにかく検査をしてみなければわかりませんから」

 

もちろんそうなんです。

でも、もうこの時には、数時間前までのように「前向きに考え直す」ことはできなくなっていました。

 

「悪性腫瘍かもしれない…」

 

眠れない日々の始まりでした。