私は基本的に感情を出さない人間である。というか、感情がないのではないかという感じである。ポーカーフェースといえば、聞こえがいいのではあるが、感情を素直に出せないことは、生活を楽しむという点ではつまらないものであるようである。村上春樹の小説の中に主人公が「あなたといると、空気が薄いのよ。月の人と暮らしなさい。」という会話があるが、私も以前同じようなことを言われたことがある。まさにまとを得た言葉のように思う。私はそんな人間である。

そんな私が、自分のことではないが、久しぶりに喜怒哀楽の怒を感じた。この時期は決算期であると同時に人事移動の話がある職種が多いのではないだろうか。今回は私のことではないが、人事のことである。相手は上司であるが、ある意味戦いの同志みたいな存在である。
私は仕事関係ですごいや同じようになりたいと思った人は、一人しかいない。その方はすでに退職されており、その方との師弟関係はまだ続いている。
今回の上司は、色々な意味で仕事に貢献していた人である。そして、あくまでも仕事関係のことではあるが、私の考え方と手段は異なるが根本の面で私の考えと同じである。私の理解者であり、私自身も彼のことは一目置いていた。
そんな彼が左遷ではないが、希望していた場所とは違うところに行くことになったのである。私の仕事上、移動は当たり前のことであり、希望通りいかないのもある意味当たり前である。
人事は、よく水ものと言われる。液体である水は流れるものであり、常に変化するものである。個体の氷になれば破壊する力がある。そして、気体になれば蒸気となり立ち消えてしまう。鶴の一声的なコネの世界でもある。
今回の彼は貢献度もあり、そして彼のおかげでよい立場に立った人が鶴の一声さえ言えば、うまく動けたはずの人事が膠着しているみたいなのである。まだ内々示もでていないが、まだ変化があるのがほんの少しの望みだが。

なかなか人の世というのは、うまくいかないものである。人はそれぞれ違うのだから、当たり前でもある。十人十色という言葉もある。
月に生きているようである私が少しでも地球の人間世界でよりよく生きていくことができればと考えている。