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小説を読んでいて、料理をしたくなることが時々あります。
今日がまさにそれでした。
『きまぐれな夜食 マカン・マランみたび』(古内一絵)の「第一話 妬みの苺シロップ」を読んでたら、
何だかやってみたくなったんです。
そこで、ちょうど頂きもののリンゴとザラメが沢山あったので、
リンゴシロップをつくりました。
作り方は、皮を剥いて適当な大きさに切ったリンゴと、同量のザラメを交互に瓶に詰め、
最後にお酢をたらしたら、あとは時間に任せるだけ。
小説にあった苺シロップの作り方を、そのままリンゴでやってみたのです。
まだ数時間しか経っていませんが、もうたっぷりとシロップが出来上がっています。
小説の「第一話 妬みの苺シロップ」は、
ネット上であらゆるものを「ディスる(悪口を言う)」ことを生きがいにしている弓月綾が、
夜食カフェ「マカン・マラン」の店主であるドラァグクイーンのシャールと出会ったことで、
自分を変える決心をする、というストーリー。
シャールは普段、漢方やマクロビオティックの知識を生かし、訪れた人の身体を気遣った料理を作っていますが、
綾にだけは何もつくりませんでした。
その代わり、ある囁きと共に、ひとつの瓶とレシピを渡したのです。
綾を変えるきっかけとなった
その言葉とは―――
「この世に本当に魔法があるとしたら、
それはきっと、自分自身にしか起こせないものよ」
シャールが綾のように妬みやひがみを感じた時に作るのが、シロップのような「保存食」でした。
「青梅みたいに毒のあるものでも、漬け込むことで、ちゃんと食べられるようになるのよ。
人の毒も同じことよ」
そう言ってシャールは綾に「私から出た毒」と、沢山の保存食の瓶を見せるのです。
瓶の中で固まっていたザラメがみるみるシロップという液体に変わる様を見ていたら、
どんな辛さも悲しみも、時間をかけて溶かしていけば、
いつしか自分の糧にできる。
私から出た毒も、ちゃんと糧になる。
そんな風に感じることができました。
…ちょっとお酢を入れすぎたみたいで、蓋を開けるとツンとした匂いはしますが(笑)、
辛さや悲しさに飲み込まれ、溺れないようにする術を、ひとつ学べたように思います。
次にそんな時が来たら、何を作ろう?
そんなリストを作っておくのも、面白いかもしれませんね。
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