AIが『今が美味 収穫を』  作業減、安定生産へ

 

富山県はケーブルテレビ事業者のとなみ衛星通信テレビ(砺波市)と連携し、ブドウ栽培にに人工知能(AI)を活用する事業に着手した。高精細カメラを用いてAIで画像分析し、収穫に適した時期などを判定する。おいしいブドウを育てるとともに、栽培データを蓄積し、作業負担の軽減や安定生産につなげる狙いで、ICT(情報通信技術)を駆使した「スマート農業」のモデルとなりそうだ。

 

ブドウ栽培にAIを活用する事業は、ワイン醸造・販売を手掛けるトレボー(南砺市)のブドウ畑で行われる。高精細カメラを15台設置し、育成状況を収集、蓄積、分析する計画で、昨年10月から準備作業に入った。

 データの収集は新年度から始める。総事業費は3800万円で、総務省の補助制度を利用する。

 農家の高齢化や後継者不足が深刻となる中、ICTを使って育成状況の「見える化」を進め、生産性を向上させる。さらにデータを蓄積することで農業技術の伝承に役立ててる。

 

ドローンで鳥獣排除

 

 県はブドウ畑に設置した高精細カメラで、鳥獣の侵入を監視する実証事業を同時に行う。AIで鳥獣の種別を特定し、データをもとに無人探索車や小型無人機「ドローン」を使って鳥獣を追い払う計画だ。第5世代(5G)移動通信システムで画像を伝送する取り組みも試行する。


引用元  富山新聞  2021.02.14