Guten Tag

金曜日のノヴァーリスです、こんにちは。
今回は番外編。
農を営む人にインタビューするシリーズ。
最初のゲストは僕の友人であるN氏。
大阪の秘境で自然体験宿泊施設を経営、養蜂、畜産、無農薬無肥料栽培、種採りを行う変人である。
かつて一緒にアーティな団体を主催しており、彼はパッケージデザイン、僕は文章を担当していた。いわば戦友である。
アートにしか興味のなかった二人が今や農業対談を行うことは感慨深い。

僕「突然やけど、去年無農薬無肥料でコメ栽培したやろ?結果はどやった?」
N「コシは全滅やわ。やっぱり生ぬるい栽培にしか向かんのやろね。草に負けたんもあるけど、そもそも育たんわ。その他もあまり良くなかった。ただひとつ、とよさとっていう品種作ってんけど、これがすごかった」
僕「すごいとは?」
N「あんなコメ初めて食べた」
僕「味?食感?」
N「なんやろね。とにかく初めて、としか表現できん。日本に昔からあった京都旭って品種の孫らしいんやけど、とにかく粒がでかい。草ぼーぼーなったけど、雑草に負けへん強さがある」
僕「手で押すヤツで除草してる動画みたで」
N「死にかけたあれね(笑)水草の中をひたすらあがくヤツ(笑)除草剤もまいてないし、肥料もやってないけど、しっかりとれたわ」
僕「何俵くらい?」
N「さぁ、しっかりはかってないから」
僕「ごめん。何俵とか、質問が愚問やったわ。収量を頭から消すことが大事やね。栽培に関しては何か?」
N「栽培自体は難しくないねんけど、さっき粒がでかいって言ったやろ?でかすぎてコンバインで刈れんのやわ。手で刈って外で干すようなイメージ。。現代の農業とは真逆のやりかたじゃないと作れない。でも惚れた。今年も作るで。今は手で畦塗りしてんねん」
僕「手で?!」
N「徹底的に手作りしてやろうと思って。とよさとには、それが向いていると思う」
僕「なるほど。いいねぇ。そういう考え方、好きやで。それにしても、あんま聞いたことのない品種やけど、種は?」
N「自然農の大家で川口由一って人わかる?その人から貰った」
僕「ゴールキーパーかな?」
N「マリノスのな・・・ってちゃうわ。その人は耕さない、無農薬無肥料、みたいなやり方やねんけど、当然真似してもうまくいかんこと、うまくいくこと、どっちもある。俺自身耕すことも耕さないこともあるけど、もともとの土地の力もあるし、一つの正解を探すんじゃなくて、変化しながら近づいていくような感じかな。色んな人の真似してみるけど、最後は自分流」

次第に話は野菜へと移っていきますが、それはまた次回。
チュス!