JA全農と大手旅行会社のJTBは6日、農業労働力支援に関する連携協定を結んだことを明らかにした。JTBが農作業受託事業を行い、全農やJAをはじめJAグループが農業者のニーズの取りまとめを担う。宿泊・観光施設や大学などに幅広い取引先を持つJTBのネットワークを生かして安定的に労働力を確保し、生産基盤の維持や地域活性化に貢献する。
農家はJAや全農などを通じてJTBに農作業を委託。JTBは必要な人員を集め、現場での指示を含めて作業をする。農家は作業量に応じた委託代金をJTBに支払う。
人材派遣ではなく、農作業受託なので、農家が作業に立ち会う指示・命令や作業者への教育をする必要がない。受託する作業は、熟練の必要がない定植や収穫、箱詰めなどを想定。農家の依頼を受け、作業分担や必要な人材などを判断するコーディネート役をJAグループが担う。
協定は4月1日付で締結。2021年度は山形、福島、静岡、広島、愛媛など10県域を重点に設定する。延べ5万人に農作業に従事してもらう目標で、22年度は同10万人に広げることを目指す。JTBは新型コロナウイルス禍で仕事が減ったホテル、旅館、バス会社をはじめ、各地域の地元企業、大学、高校など幅広い取引先から人材を確保する。全農は昨年8月、JTBとの連携に乗り出すことを公表。JTBによる試験的な作業受託などを行ってきた。
全農は「生産基盤の維持、拡大と将来の担い手確保にもつなげたい」(労働力支援対策室)と強調。JTBは「この事業を通じて地方創生に貢献したい」としている。
引用元 『日本農業新聞』 2021.04.07