白昼夢
重たい太陽 追いかけた彼女は白痴
花が咲いたよ あなたによく似た花が
滴る首 それが真実
誰が彼女を裁けるだろうか
ヒメユリ咲く丘に眼帯姿の女が独り
バラ撒いた冒瀆も愉しめる
滲んだ手首に答えは無く
考え得る異形のお話し
警告は灰色の水曜日
群集心理に悩まされ彼は途方に暮れている
目が覚めても夢の中でいつも決まって気がふれる
鏡にうつる自分の詩に雁字搦めの真昼の夢
これまでに生きてきた傷みは夕闇に迷う昔日の影
懐かしむよりも哀れな鼓動
巫女の唄が聞こえたなら さよなら
出来るなら自分だけを憎みたかった
さよなら本を閉じるよ
もう何も見なくて済むように
自分だけを憎んでいたかった
自分だけを
明日もし晴れたなら
月によく似た石の上で書き足そう
その日が昔日でありますように