口紅に悲哀 | 鬼子ノ詩集 -Nobody's Lyrics-

口紅に悲哀

黄金色に焼けた畳と靡く風に微睡めば

薄れていく足跡さえ私を嘲笑う様で

容赦無く過ぎる季節は明るく閉じて

乾ききらぬ髪をなぞり母を想う


自己愛性に生きる故に当然と

愛に狂った背中の傷が疼く刻から

所詮、嫌われるような生き方しか出来ません

今更、傘は要りません


二度と戻らない

悲しい唇、それでも

心残りが在るのなら

そっと涙は取ってある


満ちる月影


所詮、汚い言葉しか吐けません

蔑む同情は要りません

今更、傘は要りません


アナタ帰れない

昔日の面影

振り向く先は摺りガラス

もう見えないよ


二度と戻らない

悲しい唇、それでも

心残りが在るのなら

そっと涙は取ってある


Moonlight 待ち人、何処へ

Moonshadow 下弦と消えゆく


満ちる月影

箪笥の奥に染み付いた無常