あの子はよく泣いた。可愛かった。よく苛めた。
あの子の涙は性の小道具にしかならない程度だと知っていたから、いっぱい泣かせた。
あの子は自分で自分の事を弱いと言っていた。
ほんとに弱い子は、自分で自分の事を弱いなんて言わないんだよ。
私はいつもそう言って、あの子の甘さを許さなかった。
でもつい最近、友達に言われちゃった。
私は強い。自分の感情をコントロールできないのは、強すぎるからだって。
私とあの子は同じ人種でした。
今、私はある人の涙をとても貴重に思う。
その人の涙を、とても見たい。
それはどんなにか痛々しく、どんなにか濃縮され、どんなにか少ないんだろう。
どんなにか、そそるだろう。
そんな綺麗な涙を、見てぇなぁ・・・
でも願わくは、
あの人が泣くような事がないように。