何年前の母の日だったか、、、

当時母親は半分は趣味で小料理店をやっていました。


たまには花でもプレゼントするかと、

店の開店時間に合わせ、ちらほらと人通りの増えてきた飲み屋街の

一角にある花屋でカーネーションを買い、そのまま母の店まで歩いて向かっていました。


片手に花束を持って、母親の喜ぶ顔を想像しながら意気揚々と歩いている時、

ふと気が付いた。

母親の店、繁華街の中でもソー○ランドの密集地帯の中ほどにあるんです。


「この時間に花束持って半ばにやけ顔しながら歩いてたら、間違いなくソー○ランドの天使への

贈り物って誤解されるんじゃないか?」

そう思ったとたん、顔がカーッとなって、

それまで颯爽と歩いていたのが、なぜかうつむき加減の急ぎ足となってしまったのでした。


いや~自意識過剰っていうんでしょうか、

花束と言ってもカーネーションなんだから、母親へのプレゼントだってことは

見た人は分かるはずだもの、考えすぎだよな、  ・・・はっ!

もしかして母親=60過ぎた天使って思われないかな?


わずか10分足らずの道のりなのに、その日は母親の店が遠く遠く感じたのでした。