欧州不安・中国減速懸念・日本の消費増税・米国のインフレ・中東情勢悪化…の巻 バーナンキFRB議長が、一貫してエネルギー価格の上昇に伴う国内のインフレを懸念する発言を繰り返したため、為替相場ではドルが下支えされ、渋々金融緩和を匂わせた日銀の発言を受けて円が全面安の展開。欧州不安の後退を見込んでユーロは昨年のレベルまで持ち直した格好。
欧州不安
ギリシャの債務交換が進み、トロイカによる支援が行われたが、緊縮財政遂行に疑問を持たれ、財政の大幅な収縮により、対GDP比赤字が拡大する恐れもある。結局、欧州経済が崩壊するような金融機関の信用収縮には至らなかったものの、ポルトガル・スペインも大幅な緊縮財政を余儀なくされ、各地でそれに反対するデモ等が頻発。この負の連鎖が不況のイタリアに波及していて、景気回復を妨げる恐れがある。
日本の財政改革
リーマンショック後の世界各国の金融緩和の流れに乗り遅れた日本は、東日本大震災を経た復興特需で爆発的な経済復興を遂げると世界中が予想したが、当局の支援策等の遅れにより、世界が驚くほど経済回復出来ない「失われた10年+1年」を経験した。しかも、中東情勢の悪化によりエネルギー価格の高騰が懸念される情勢下での日銀の緩和方針で、緩和の時期を逸していると同時に、庶民生活を圧迫するインフレを招く可能性がある。そんな中での増税改革で、経済の息の根を止める可能性が懸念されている。
中国経済減速
“世界の工場”として機能するだけでなく、一大消費国となった中国では、米国に匹敵する金融緩和による影響で、金融・不動産バブルが発生していることは衆目の一致するところだが、「いつ崩壊するか?」と、「ハードに崩壊してしまうかどうか?」が問題となっていた。昨年からの欧州債務問題による影響で、欧州への輸出不振と欧米からの資本引き上げに直面し、経済の減速が顕在化してきた。都市部での不動産価格の下落も始まり、バブルは終焉したと見られている。問題は、政府当局内部の権力移行時期に当たるため、権力闘争が激化している為、景気後退を緩やかにする為に有効な政策が実現できるかどうか疑問視されている事か。
米国のインフレ
大統領選挙がある今年。アノマリー通りに株価は高騰を続けているが、ドル安誘導による輸出業の下支えは、原油価格の高騰により国内物価の急激なインフレを招いている。特に、自動車社会のアメリカでは、ガソリン価格が一定水準を超えると経済が後退を始める事が知られているため、芳しくない雇用・住宅市場の回復にもかかわらず、金融引き締めをほのめかさざるを得ない状況。6月に終わるQEのその後が懸念されている。…と言いつつ、毎日FRBは数千億円規模で市場に資金供給しているわけで、自国通貨をいくらでも棄損できるのは、主軸通貨ドルを発行できる国・アメリカの特権と言える。
中東情勢
欧米による経済封鎖に対して、イランがホルムズ海峡閉鎖を仄めかしたことで、原油価格が高騰している。コレに対して、世界各国が原油備蓄の放出を約束し始めた。湾岸諸国の雄・サウジアラビアも米国の要請に対して石油の増産を発表し、価格は落ち着くかに見えたが、イスラエルがイランの核開発疑惑に対し空爆を計画していて、アゼルバイジャン当局と空港使用の密約があるとすっぱ抜かれたため、中東戦争の可能性も指摘され始めた。シリアの民衆運動と弾圧も激化し、目下アラブ首脳会議の真っ最中。
…どうなるかなんて知らないけど、世界は未だ激動のまっただ中。単純に楽観視るるわけには行かないと思うのだけれど。日本だって、原発事故が収束していませんからね。
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ニュース/要人発言
アラブ首脳会議・イラクの首都バグダッドで22年ぶり、周辺でロケット弾攻撃も【日本】◎
個人マネーがリスク資産に食指、相場上昇でセンチメント回復◎
政府、消費税増税法案を閣議決定、政局含みで成立へ道のり険しく●
長期金利が2週ぶり低水準、年限長期化の買い、消費増税の影響限定野田首相 「消費増税へ野党とスクラム、法案成立へ脇目振らず議論」安住財務相 「消費税増税法案の早期成立に向かって努力したい」
三菱東京UFJ銀行
「決済業務、市場部門強化で海外事業拡大へ」オリンパス
・菊川元社長を保釈日本IBM
・スルガ銀行(本店・静岡県沼津市)システムの開発失敗訴訟で、74億円賠償命令 北海道
・札幌市の男性が、みずほ証券などに仕組み債の代金返還(約1億1500万円)を求め提訴北九州
・ディナール購入詐欺で83歳被害、3150万円警察庁・ネットカフェの本人確認、法制化検討へ【アジア/オセアニア】■中国■中国銀行業監督管理委員会(銀監会)
「中国人民元は20年までに取引量ベースでトップ10入りへ」中国銀行(中‐大手銀)
・2011年決算は19%増益、予想上回る中国工商銀行
・第4四半期は利益が予想上回る、不良債権は増加海爾電器集団(香港‐ハイアール・エレクトロニクス・グループ)
・11年純利益14億1000万元-予想上回る
青島ハイアール(中‐家電、ハイアール・グループ傘下)
・11年純利益:26億9000万元(20.1%増)S&P
・サンフンカイ・プロパティーズ(香港‐不動産開発会社、新鴻基地産発展)を「ネガティブ・ウォッチ」・共同会長らの逮捕が経営の安定性と評判を損ねる可能性
スタンダードチャータード(英‐銀行)
「中国に大幅な緩和余地見込む」サイノフォレスト(中‐造林)
・カナダで身売りを含む破産手続きを申請・投資家から業績の過大報告など、不正行為の可能性を指摘されている
■半島情勢■韓国・中銀、外貨準備の米ドル比率を11年に3.2%ポイント削減
・韓国銀行の外貨準備の規模は世界7位
・ドル建て資産比率='09年末:63.1%、'10年末:63.7%、'11年末:60.5%北朝鮮・29日に2発の短距離ミサイルを試射・米国務省=
北朝鮮への食糧支援、準備作業を中断 ・サーマン在韓米軍司令官
「北朝鮮のサイバー攻撃能力は増している」・戦闘機出撃訓練が急増、650回の日も
【欧州】欧州連合(EU) 「域内の銀行部門には引き続きリスクが存在する」 「年初から状況は予想外に良いが、マクロ経済見通しは依然として若干下向き」
「債危機が最終的に貸し渋りや内需の腰折れにつながれば、景気後退の長期化につながる」
ユーロ圏財務相会合・ESM/EFSFの融資能力を5000億ユーロから7000億ユーロに引き上げ・アスムセンECB専務理事
「ユーロ圏の金融安定強化、銀行清算基金設立も一案」・ノボトニーオーストリア中銀総裁「欧州の救済基金の規模は十分、合理的であり実行可能」
ショイブレ独財務相
「欧州各国は債務危機の原因に取り組む必要」レーン欧州委員
「スペインは厳しい状況」
「アイルランドの債務問題は徹底的に調査されるべき」
「2012年財政赤字目標の5.3%の確認を歓迎する」
「スペインは財政的、構造的な政策を決定している」
「欧州のファイアウォール合意はIMF原資の増加につながる」
スペイン・政府が2012年予算案を公表、赤字削減への姿勢を明確化・一段の緊縮財政で経済はさらに圧迫、赤字目標の達成は一層困難になりかねないとの声も
ギリシャ・外国法下の国債の元利支払い停止をユーログループが承認
スロベニア・クラニェツ中銀総裁
「新たな危機の感染の除外はまだ避けられない」
「個人的にはトンネルの終わりにまだ光が見えていない」
ルービニ・グローバル・エコノミクス(RGE‐経済コンサルタント会社)
・欧州担当エコノミスト
「ギリシャは2014年末までにユーロ圏離脱、ポルトガルも追随へ」【米国】◎
消費支出‐2月=7カ月ぶりの伸び、所得の伸びは弱く
商務省
・個人消費支出(PCE)価格指数は0.3%上昇、コアPCE価格指数は0.1%の小幅上昇
・個人所得は0.2%増にとどまり、予想の0.4%増に届かなかった、インフレ調整後の可処分所得は0.1%減
・支出が所得を上回る中、貯蓄率は3.7%と、'09年8月以来の低水準
・貯蓄は年率換算で4387億ドルに減少し、'09年10月以来の低水準
ジョン・トーマス・ファイナンシャル
・カフマン首席市場アナリスト「支出が景気を主導する事が重要、経済はまずまずだが力強くはない」
NY
・半身不随の女性を1年以上監禁、米NYで元隣人の男女逮捕
・すべての罪で有罪になれば、終身刑が言い渡される可能性もある【その他の世界】イラン・
オバマ米大統領=
イラン制裁発動を承認、石油代替供給可能・
ハーメネイー師「イランはアメリカのあらゆるシリア計画に反対する」・
中印=
物々交換で原油輸入、イラン制裁回避へ自国通貨取引もシリア・反体制派=軍事支援要求、武力で政権打倒目指す――――――――――――――――――――――――――――
週末の予定3/31(土)
EU27カ国財務相・中央銀行会議
モンティ伊首相:訪中
4/1(日)
英国=法人税率改定(26%→25%)
07:30 米 コチャラコタ米ミネアポリス連銀総裁:講演
10:00 中 製造業PMI‐3月
Week End/X世界が、終末へ向かっていなければ、いいけどね…
ぷー( ̄皿 ̄)y-゚゚゚
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市場結果(3/30)
◇日本市場
日経平均株価:10083.56(-31.23)
TOPIX:854.35(-3.39)
シカゴ日経先:10165(大証比:+10)
◇アジア/新興国市場
上海総合指数:2262.788(+10.628)
香港ハンセン指数:20555.58(-53.81)
シンガポールST指数:3010.46(+16.37)
インドSENSEX指数:17404.20(+345.59)
ブラジルボベスパ指数:64,510.97(-361.02)
◇欧州株式市場
英FT100:5768.45(+26.42)
仏CAC40:3423.81(+42.69)
独DAX :6946.83(+71.68)
◇米主要株価
ダウ平均株価:13212.04(+66.22)
S&P500種 :1408.47(+5.19)
ナスダック :3091.57(-3.79)――――――――――――――――――――――――――――
商品/債券/為替(3/30)
☆NY金 =1オンス:1671.90ドル(+17.00)
☆NY銅 =1ポンド:382.50セント(+2.85)
★NY原油=1バレル:103.02ドル(+0.24)
●日本国債=2年債:0.12%(0.12%)・10年債:0.99%(1.00%)
●米国債 =2年債:0.33%(0.34%)・10年債:2.21%(2.16%)●英国債 =
ほぼ変わらず、週べ―ス値上がり-消費者信頼感が悪化●欧州債 =
スペインとイタリア債が上昇-ファイアウオール強化●FRB公開市場操作=長期国債買取:
20.85億ドル◆NY外為=
円が上昇、世界的な成長減速懸念で逃避買い◆
主要通貨の騰落率=ノルウェークローネ、対ドルで上昇一位
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指標結果(3/30)
【日本】
・鉱工業生産‐2月
(前月比):-1.2% (前:1.9%/予:1.3%)
(前年比):1.5% (前:-1.3%/予:3.7%)
・自動車生産‐2月(前年比):19.7% (前:18.6%)
・住宅着工戸数‐2月
[年率]:91.7万件 (前:82.2万件/予:84.0万件)
(前年比):7.5% (前:-1.1%/予:-1.1%)
・建設工事受注‐2月(前年比):-1.8% (前:24.6%)
・失業率‐2月:4.5% (前:4.6%/予:4.6%)
・有効求人倍率‐2月:0.75 (前:0.73/予:0.74)
・全国消費者物価指数‐2月
(前年比):0.3% (前:0.1%/予:0.0%)
[除生鮮食品](前年比):0.1% (前:-0.1%/予:-0.1%)
・家計調査消費支出‐2月(前年比):2.3% (前:-2.3%/予:-0.5%)
【アジア/オセアニア圏】
韓国
・GDP‐4Q
(四半期比):0.3% (前:0.4%)
(前年比) :3.3% (前回:3.4%)
・鉱工業生産‐2月
(前年比):14.4% (前:-2.1%/予:10.0%)
(前月比):0.8% (前:3.2%/予:-1.2%)
ニュージーランド
・マネーサプライM3‐2月(前年比):5.2% (前:5.4%)
香港
・マネーサプライM3‐2月(前年比):9.8% (前:5.5%)
シンガポール
・マネーサプライM3‐2月(前年比):9.5% (前:9.9%)
【欧州圏】
欧州
・消費者物価指数‐3月(前年比):2.6% (前:2.7%/予:2.5%)
英国
・GFK消費者信頼感調査‐3月:-31(前:-29/予:-29)
フランス
・生産者物価指数‐2月
(前月比):0.8% (前:0.7%/予:0.4%)
(前年比):4.3% (前:4.3%/予:4.0%)
・消費者支出‐2月
(前月比):3.0% (前:-0.4%/予:0.2%)
(前年比):0.5% (前:-2.2%/予:-2.5%)
ドイツ
・小売売上高指数‐2月
(前月比):-1.1% (前:-1.2%/予:1.1%)
(前年比):1.7% (前:1.7%/予:0.1%)
トルコ
・貿易収支‐2月:-59億TRY (前:-70億TRY/予:-69億TRY)
南ア
・貿易収支‐2月:-75億ZAR(予:-50億ZAR/前:-135億ZAR)
【米国圏】
米国
・個人所得‐2月(前月比):0.2%(予:0.4%/前:0.2%)
・個人支出‐2月(前月比):0.8%(予:0.6%/前:0.4%)
・PCEデフレーター‐2月
(前年比):2.3%(予:2.3%/前:2.4%)
・PCEコア・デフレーター‐2月
(前年比):1.9%(予:1.9%/前:1.9%)
(前月比):0.1%(予:0.1%/前:0.2%)
・シカゴ購買部協会景気指数‐3月:62.2(予:63.0/前:64.0)
・ミシガン大学消費者信頼感指数‐3月:76.2(予:63.0/前:64.0)
カナダ
・GDP‐1月(前月比):0.1%(予:0.1%/前:0.5%)――――――――――――――――――――――――――――

「君をただひとり この悲しい世界に
取り残されたような気持ちにさせないために」
銀色夏生