
日本は神話の時代のままだったの巻…
日本に原発が導入された1970年代、日本には設計ができる技術も人間も未だ存在せず、GEに設計から完成後の引渡しまでの契約(フルターンキー)を結んだ。アメリカでのフル稼働が始まる前の福島での着工と、その数年後から徐々にに明らかになるGE社製原子炉・マークIの構造上の欠陥。アメリカでも疑われ続けた電力会社と産業界と当局の癒着とも取れる関係。しかし、設計・製作の大元であるアメリカで疑いの目を向けられるモノに、なぜか日本では“安全神話”が出来上がってしまった皮肉とそれを元にした原子力政策の推進がわかりやすく描かれている。
福島第一原子力発電所に導入されたGE社製原子炉・マークIが、そもそも安全だと言えるモノなのかという素朴な疑問についての検証なのだが、その危険性については設計直後から大きな疑問符が付けられていた。GE社はマークIついて’70年代に安全性を検証しその安全性検証チームの一員だったブライデン・ボウ氏は、マークIは重大な事故が起きた際に安全性を維持できないという可能性に気づき、上層部や電力会社と対立。結局ブライデン・ボウ氏はGEを退職し、連邦議会の特別委員会で証言するなど啓発を続けることになる。
ノーマン・ラスムッセン教授(MIT)の提出したラスムッセン報告により、自動車事故やハリケーン被害に遭うより原発事故は起こりづらく、隕石が衝突するようなものだとされ、事故の確率は50億分の1であるとされた。キース・ミラー教授(NRC・カリフォルニア大)などを始め、これに反論する人物も現れたが、原子力発電所の安全性については封印された。その後、1979年に起きたスリーマイル原発事故が起こるまで、3年後の原子炉内部の調査によって、メルトダウンが確認されるという重大事故が発生した。
さて、当局と電力会社とインフラ事業会社の様々な議論と駆け引きは日米見比べても差がないかも知れないが、設計の当事者ですらない日本で、なぜ絶対安全だというようなプロパガンダがはびこったのかという疑問がふつふつと湧き上がる。GE社製原子炉・マークIは、コスト削減のために小さすぎる格納容器を持ち、全電源喪失から7時間後には炉心溶融(メルトダウン)が始まる事は公になっていたのにである。キーになるのは前出したラスムッセン報告で、それは既にアメリカでは過去の遺物と化した論拠である。未だに、福島原発の惨事を目の当たりにしてでさえ、「日本の原発は安全です」と繰り返す関係者達から口を衝いて出る言葉に「隕石に当たったようなものだ、誰がそれを想定できますか?」とラスムッセン報告そのままのフレーズがとび出すのを聞くにつけ、暗澹たる気持ちになるのですが、更に公の場でこのような議論さえされない日本の政治のあり方も深刻だと考えさせられます。
※NRC=アメリカ合衆国原子力規制委員会
まとめ…
①日本で原発事業が始まった当初は、安全性を検証できる知識や技術を持ち合わせていなかった。
②アメリカの原子力発電聡明期に設計され、GEの原発輸出事業の柱となったマーク・Ⅰの欠陥について、商業上の理由で長く不問にされてきた。
③日本の原発の安全神話の元になっている、安全性をうたったラスムッセン報告は、スリーマイル原発事故が起きて否定された。
④小さすぎる原子炉格納容器によって、メルトダウンによる水素爆発は、30年前から想定されていた。
⑤欠陥を補うために付けられた“ベント”による内部圧力調整機能は、整備コストの面から電力会社によって否定され、最新の設備とは言えず、放射性物質フィルターなど設置していなかった。
⑥菅直人前総理の事故視察のためにベント作業が中断されたとの情報は誤りで、ベント機能自体がスムーズに作動するように整備されていなかった。
――――――――――――――――――――――――――――
明日からあなたも、原子炉通、かもよ…
さあコレで大丈夫、
「原発事故は、自動車事故より確率が低く、
福島原発事故も想定外の津波によって引き起こされた。
そんなの隕石に当たったようなものだよ、誰が予想できる?
日本の技術は世界一だよ!」
あなたがそう言われたら、こう答えましょう。
「ああ、ラスムッセン報告だね、
今では誰も信じない原発事故は50億分の1の確率だという数字のマジック。
ふーん、君は40年も前の根拠のない数字を元に福島の事故は目の錯覚だというのかい?
でも大丈夫、あの原子炉は日本製ではないから、そんなにプライドを傷つけられる必要はないよ。
だけど、原発事故は起きないなんて口にしたら恥ずかしいからやめなさい」
と、友人ならば言ってあげましょう。(*`・(ェ)・´)ゞ
――――――――――――――――――――――――――――
原発関連の過去記事(`・(ェ)・´)ゞ
チェルノブイリ原発事故 - 象の足
男の覚悟 - I Don't Want To Miss A Thing♪
「国破れて山河在り」とは、まだ幸運か…
福島原発20キロ圏内、強制退去
【原発の現状】危機感液状化現象(4/28)
メルトダウン?そうとってもらって構いません(5/13)
今日の原発模様(5/15)
対核汚染スーツ、出来ないかな?(5/22)
今更、メルトダウンを認めたって…(5/24)
700億円の無駄遣い(5/30)
原発関連・国策の国って何?(6/5)
悪魔の炎は今すぐ絶やすべし(7/3)
忌野清志郎 - 雨上がりの夜空に♪
11年下半期の第一週のカオス(7/10)資源・エネルギーと原発と
取り巻く思惑(7/31) - 20110723 朝ナマ「原発」
放射能汚染(7/31)