
アラブの春は、早くも秋の気配の巻…
21世紀はアラブ・イスラムの世紀と目されていた。
人口の減少が始まった先進諸国に比べ、国力が大きく増していくと思われるからだ。
しかし、アラブ・アフリカ首脳会議が30年ぶりに開催されたのが、昨年10月。
それから1年たたずに、既におもだった独裁者たちは排除されたり苦境に陥っている。
世界的な天候不順による食料価格の高騰と、
先進国による大幅な金融緩和によるホットマネーの商品相場への流入は、
各国・各地域で物価の高騰をもたらし、時に歪な形で民衆蜂起を引き起こす。
欧米を席巻する金融危機懸念の注視にかまけていたわけではないが、
ここ1ヶ月だけでもこの地域の国々では内乱状態が継続しているのも、
世界の経済が密接に繋がっているからだと言える。
庶民の側から見ると、民主的で平和な世界を祈るわけだが、
欧米の影響力の低下や中国の台頭と合わせて、
世界情勢が大きく変わるプロセスだと考えるしか無い。
残念なのは、東日本大震災による影響と外交の劣化によって
日本がこの地域の混乱にコミットしていない事。
歴史的にも宗教的にもこれら地域と軋轢の無い日本は、
影響力という点でも世界平和という観点からも、
もっと主導的な役割を果たせたはずだと、
悔しく思うのです。
――――――――――――――――――――――――――――
【リビア情勢】

◎リビア首都が事実上陥落、反体制派進攻で、識者はこうみる(ロイター)
ゴーガリビア反体制派「国民評議会」副議長
・カダフィ大佐不明でも解放を宣言
反体制派
・「国民評議会内閣」、参謀長殺害事件めぐり総辞職
・首都に迫る、公安相離反か
・首都侵入、政府軍と銃撃戦
・首都トリポリを包囲-カダフィ大佐は徹底抗戦表明
・トリポリに進攻
・カダフィ大佐の長男モハメド氏が投降
・カダフィ大佐の次男セイフ・アルイスラム氏を拘束
・長男、反体制派の拘束から逃れる
・首都中心部に進軍、政府軍の抵抗なく
・国営テレビ占拠
・カダフィ大佐邸宅などある政権拠点を制圧
・トリポリ攻防で死者400人超、負傷者2000人
・原油輸出=今後はカタールに依存しない方針(評議会)
・首都でカダフィ大佐の拠点を制圧-国民に団結促す
・カダフィ大佐を追跡、首都で抵抗継続も
・カダフィ大佐の確保に1.3億円の報奨金
・カダフィ政権拠点に突入も、大佐の所在は不明
・反体制派国軍創設へ
カダフィ大佐
「トリポリの住民はリビアの首都から反体制派を一掃すべき」
・トリポリ市内を移動(アルアラビーヤ)
・音声メッセージ、「あきらめるな」と抗戦呼び掛け
・カダフィ大佐と一族、アルジェリアに逃亡の情報
■各国の思惑■
◎リビアで石油権益の争奪戦、反体制派「来年に生産量回復」
◎アラブ各国の凍結資産の返還は長い道のりに
◎親カダフィ派のアフリカ諸国=対応苦慮 新政権承認見送りも
◎中国
・中国商務省「リビア復興で積極的な役割果たすことを希望」
・中国外務省「リビア国民の意思を尊重、安定が戻ることを望む」
◎米国
・オバマ米大統領
「リビアは圧制者の支配から逃れつつある」
「カダフィ政権の終えん近い、リビアの将来は国民の手に」
「カダフィ政権に崩壊の兆し、政権明け渡しを」
・米軍=カダフィ後のリビアで平和維持に参加せず
◎欧州
・NATO「カダフィ政権、崩壊しつつある」
・フォックス英国防相=カダフィ大佐の捜索、NATO軍が反体制派を支援
・EU=カダフィ大佐に即時退陣要求、「カダフィ後」の計画準備
・フランス=リビアめぐる国際会合を提案、サルコジ大統領は反体制派幹部と協議へ
オリ・ヘイノネン氏(IAEA元事務次長)
「リビア保管の核物質に流出の恐れ、武器転用の可能性も」
■リビアの原油■
★リビアからの原油供給再開観測で原油先物が下落
★カダフィ政権崩壊後のリビア原油権益、イタリアなど反体制派の支持国が有利に
◎以前の石油生産量回復には2年かかるとの見通しも
→WTIが急落した一方、北海ブレント原油が高止まり、高品質なリビア産原油の出荷再開のメドが立たず
ガネム前石油相・国営石油会社(NOC)総裁=5月にカダフィ政権を離脱
「以前のレベルに戻るには2年かかるかもしれない」
ウッド・マッケンジー・コンサルタンツ(英-コンサルタント会社)
・石油のフル生産再開までは3年必要
OPEC
「リビアの石油生産再開後、サウジが輸出量調整も」
――――――――――――――――――――――――――――
【アラブ/アフリカ/イスラム/中近東】
問題は既に、カダフィ大佐の動静よりもシリアやイスラエル・パレスチナの混乱へ。
経済的に安定していると思っていたイスラエルでインフレに抗議する30万人規模のデモがあったとは。
これら地域がどのような形で落ち着くのかなど考えつかないが、人々の血が流れないことを望みます。
◎「アラブの春」の後に「不確実な秋」が到来か
■シリア■

・シリア全土で136人死亡、軍が戦車も投入、中部でデモ鎮圧作戦
・シリア政府軍=ハマなどで弾圧、少なくとも70人死亡
・オバマ米大統領「アサド大統領を孤立させる」
・米欧=シリア大統領に退陣要求、新たな経済制裁も
・国連安保理=非難議長声明採択、露の意向で安保理決議採択に至らず
・アラブ3カ国=駐シリア大使を召還、アサド大統領の孤立深まる
・シリア軍=デモ弾圧に艦船からも攻撃、26人死亡
・国連人権理=非難決議案を討議、2200人以上死亡と報告
・ロシア=「制裁なし決議案」を安保理に配布、欧米案に対抗
■エジプト■
・ムバラク前大統領初公判、独裁と決別
・第2回公判は審理進まず、テレビ中継禁止に
■イラク■
・連続テロ、10都市で70人死亡 武装勢力連携か
・トルコ軍=イラク北部の反政府武装組織クルド労働者党(PKK)拠点へ大規模空爆
・元日本代表監督のジーコ氏が、イラク代表監督就任
■イスラエル■

◎物価高騰で30万人デモ「史上最大規模」
対パレスチナ
・東エルサレムでの住宅建設を承認へ
・入植住宅建設を拡大 米露など4者は「強い懸念」表明
・イスラエルがガザを空爆、2人殺害、戦闘続く
・イスラエルとハマスが停戦、合意後にガザからロケット弾も
・砲撃で1人死亡、ガザから発射
・エジプト=イスラエル摩擦高まる 駐イスラエル大使召還
Gaza Under Attack – in pictures
クリントン米国務長官=イスラエル南部での武装勢力の連続襲撃
「最も強い言葉で今回の襲撃と全てのテロ行為を非難する」
■トルコ■

・2020年夏季五輪招致=東京・ローマ・マドリッド・イスタンブール・ドーハ
・軍部との対立は首相の強さの表れ
・トルコ中銀が予想外に50bp利下げ、翌日物借入金利を5%に引き上げ
ユルドゥズ・トルコエネルギー天然資源相
「トルコの原発建設計画、日本は交渉継続を希望」
「日本とトルコ、原発巡り協議」
■アフガニスタン■
・カブールで爆発、3人死亡 武装勢力と銃撃戦も
・爆弾で国際部隊5人死亡
・知事公舎襲撃=タリバンが犯行認める 死傷者56人に
■パキスタン■
米国、ビンラディン殺害(5/2)・ビンラディン殺害作戦で墜落の米ヘリ、パキスタンが中国に情報譲渡か
・温家宝首相が訪中のパキスタン外相と会談、友好を強調
・ザルダリ大統領=中国ウイグル自治区を訪問
・パキスタンでアルカイダ「ナンバー2」殺害される
・海外労働者からの送金、5カ月連続で10億ドル超え
■インド■

台頭する中国に対する脅威論から、同じ新興国市場にカテゴライズされるインドに当たるスポットライト。しかし、社会インフラに対する不安と汚職政治に対する不信は解消されない。
◎インド人の自信「常に我々の時代なのだ」
・6月の鉱工業生産指数は前年同月比8.8%上昇(予:5.5%)
・中銀スバラオ総裁=任期2年延長、2013年9月まで
・定住するインド人、神戸になぜ多い
力-ムカジー財務相
「インドの成長は損なわれていない、市場も回復」
反汚職デモ
・反汚職活動家の拘束に数千人が抗議
・インド全土で反汚職デモ、「現代のガンジー」釈放でハンストへ
日本企業動向
・三菱重工=タタ・グループと共同で事業可能性調査
・日立化=粉末冶金製品をインドで現地生産、投資額19億円
・JTB=インドに日系法人など向け旅行事業を展開する新会社を設立
・東海ゴム工業=自動車用防振ゴムの生産本格化=インドの工場を拡充
・武田薬品=インドの製薬事業買収に向け交渉中
■米国■
・イラクやアフガニスタンからの帰還兵の雇用促進へ新たな税控除提案、2年間:1.2億ドル
・対イラン追加制裁を日欧に要請、航空会社など対象
――――――――――――――――――――――――――――

何が正義かなんて、私にはわかりません。ヾ(T(ェ)T )ノ
不定期のらくま新聞(5/1)中東情勢の悪化は、遂にパレスチナ方面へ