寝苦しく、
眠りの浅い夜が何日続いただろうか?
そんな梅雨も明けきらぬ、ある雨の夜中の亊。
ふと目が覚めると、部屋の片隅にバクが立っていた。

「すいません、そこで何をしてるんですか?」そう呟くと、

「え、ああ、あなたの夢を頂いているのです。申し遅れました、私はバクと呼ばれるモノです。」と答えが返ってきた。

・・・ふむふむ、
奇妙なモノの存在に、間の抜けた会話。
おかしな亊に、名乗られるまでもなく、
その存在がバクだという亊だけは、理解できていた。

しかし、近頃たいした夢も見なくなったというのに、
なぜこの部屋へ現れたのだろうか?
そんな考えが、ふと頭を過った。

「ええ、ですから、私があなたの夢を食べているために、あなたは夢を見る亊が無い、という次第でして・・・」


続く