本来だったら放射線治療が始まる2月27日、私は彼と共に病院へ説明を受けに行った。



先生が言うには

放射線治療用のCTを放射線科の先生が確認したところ、腹膜播種の転移をしているようなのが、かなり確定に近い形で見つかったとのこと。


お腹の中にある内臓の表面やお腹の壁自体にがん細胞がくっついて増えると腫瘍が増える転移の仕方の一つという説明を受けた。


腹膜播種が見つかった場合は、目に見えない微小の転移もあることがほとんどなので、放射線治療みたいに、治療する範囲を決めるのは向かないらしい。


だから全身に対して薬が入る抗がん剤治療をメインにした方が良いというのが、会議の結果と言われた。


そして

子宮頚がんの治療というのがここ1、2年変わって免疫チェック阻害剤とか、新薬が入ってきているので、無理に放射線治療を、うまくいくかわからないものをやるよりは、抗がん剤治療をバッチリやった方が効果が期待できるのではという考え方です、とも言われた。


私は

「それは完治ができる可能性はあるのですか?」

と不安になり聞いた。


先生は

「まぁ、完治したかどうかは、正直わからないというか、難しいことになるんで、長期間、免疫チェック阻害剤の場合は、治療効果が続く人は一定数いるので、治ったに近い状態になる人が一定数いるというのは考えられると思う」

と答えた。


ネガティブなんかよくわかんない答えだなぁ。


「抗がん剤は、一生やるというのを聞いたことがあるのですが、そうなのですか?」


先生

「進行してしまった子宮頚がんの治療に対しては、従来やっているような、パクリタキセルやシスプラチンというお薬プラス、アバスチンというお薬とキイトルーダーの免疫チェックポイント阻害剤という4剤を併用してやる。

従来型の抗がん剤は6回やったら一旦やめるんです。

あとは新しく入ってきた新薬だけ維持治療としてずっと続けていく形を取る。


だから従来やってきた抗がん剤をずっとやるよりは、手が痺れるとかそういうのは出にくくなってきていますが、ただ免疫チェックポイント阻害剤の場合は、自己免疫疾患、例えば甲状腺とか膵臓とか、肺がダメージ受ける方が一定数出るという副作用の問題はあるけども、長期間続けやすいお薬ではある。

昔やっていた抗がん剤をずっとやりますというのとは話は違うと思っていただけたらと思います。」


「選択肢はそれだけですか?」


先生

「基本、こちらの方が。放射線だと治る可能性がかなり乏しいです。

抗がん剤だけではなく、ご自身の免疫を免疫チェック阻害剤で強めて長期間ガンを抑えてという発想です。」


「腹膜播種は余命が短いことをWEBで見たのですが、やっぱり短いのですか?」


先生

「従来は良くなかったです。

今は新しい薬が出てきて、これからどうなるかみているところです。

あんまり多くはないですよね。播種が生じている子宮頚がんは。


子宮頚がんは、リンパ節とか肺とか内臓に出てくる人が多いんで。

比較的播種という形を取らない方が多いんです。


がん細胞は普通、自分の体じゃないので免疫の細胞が壊して追い出すんです。

でもそれができないので段々増えてくるんです。

がん細胞は、捕まえにきた免疫のスイッチをオフにしちゃう仕組みがあるんですね。

それを今度は免疫チェックポイント阻害剤の薬でもう一回オンにするんですね。

それでがん細胞をやっつける治療があるってことなんですね。

それが今回の治療に入るってことです。」


でも話を聞くと、全員に効くわけではなく半分ぐらいの人に薬の効果があるとのこと。。。


でも先生は、

ダメ元でやる治療ではなく、十分期待ができる治療と説明をした。




彼は、腹膜播種があるから放射線治療ができないというわけではなく、トータルで考えたら放射線より抗がん剤治療の方が良いということなのかと質問を投げた。


先生

「昔は無理にやっていたんです。子宮の周りにはっきりした病巣が無ければ一緒に照射して、一回様子を見ましょうかとやっていたんですけど、新しい薬が出てくると、やっぱり抗がん剤の方が期待ができるので、無理しないでとなってきている。


特に今回は、アバスチンという薬が入ってくるかもしれないので、アバスチンというお薬は、瘻孔(ろうこう)といって、腸に穴が空いてしまう副作用がある薬なんですけど、放射線照射があった方が、それが起こりやすいって言われているので。

逆にいうと、抗がん剤で最初に勝負するという意味では、放射線をしないでおいて、いきなり抗がん剤をやった方が、そういう制限というか心配が少ないというところもあります。」


ということらしい。


「治療が効いているか効いていないかのチェックポイントというのは、次はいつになるのですか?」


先生

「3回抗がん剤をやって判断します。」


「それはいつぐらいになるのですか?」


先生

「3週間ごとの治療になるので、2ヶ月ぐらいしたら判断します。あんまり治療効果が無いなら、治療を続けても副作用だけとなるので、治療は中止になります。」



「その時は、どうなるのですか?もう治療は無し?。。。」


先生

「治療は無しか、期待値は下がりますが次のお薬かという相談になります。」



そして、次のお薬は、仕組みが違うから効果がある人もいるけど、期待値が低いのでやめますという人もいるとのこと。


あとは緩和ケアみたいになるらしい。


薬の効果があるどうかの検査は、5月になってから。。。


薬が効かなければ、余命1年。



「先生、5月のGWは旅行に行こうと思っているのですが行けますか?」


これが最後となるかもしれない家族旅行、行けるのか心配になって聞いた。


先生は、GWの休みの時に病院は開けることは無いので、その期間の治療は無いと思いますが、抗がん剤の副作用で気持ち悪くなったりと出てしまう方もいるので、一回やってみて計画を中止するかどうか考えた方が良いかもしれませんね、、、とあまり旅行はダメとは言わないが、中止する方を勧めているような答え方をした。



余命、最悪は1年以内。。。



最悪は、来年の私の誕生日は迎えられないかも。



でも希望はあるから

生きたいから


頑張る爆笑音譜






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