$シャスタ ヒーリング

Y君は9歳の男の子。ぱっと見た感じは普通の小学生だ。
でも少し見ていると身体がぎこちないのに気がつく。

腕や手の動きがどことなく鈍い。
そしてぎこちない首の動きなど、まるでロボットのよう。

言葉使いも同じフレーズを繰り返したり、深い考えも無く口に出したりする。
喋っていることが意味不明に聞こえて、理解出来ない事もしばしばだ。


Y君は狭い場所がお気に入りで、暗い台所でひとり遊びをしたりする。
中を覗くと、地べたに座り込んでじっとしている。
そんな時、目は宙を見ていて焦点が合ってない。
意識が飛んでいるという状態になる。


時計が好きで、
「ダイニングと台所の時計が合っていない
と二つの時計を合わせようといじり始める。
細かい事が気になるようで、
書き込んだ書類の年が違うと指摘したりもする。


狭い所での一人遊びが好きだという事。
目が宙を見て焦点が合っていないという事などから、
Y君は自分の世界、心の奥に篭ってしまう傾向があるようだった。


『このまま大人になったY君を、日本の社会はすんなりと受け入れてくれるのだろうか?』
Y君を見ているとそう思ってしまう。
Y君のような発達に問題がある子どもにとって、今の社会は生き難いのだろう。


お母さんは『Y君は学校でいじめられているのではないだろうか?』
と心配を打ち明けてくれた。
たまに泣きながら学校から帰ってくる事もあったと言う。

Y君の行動や何かに脅えるようなしぐさから、
いじめられて自分の世界に閉じこもってしまったのではないだろうか?
と思ったようだった。


学校でのY君の人間関係。これが今現在、一番の問題のようだった。