「見る音楽」
8月10日に発売の雑誌idea アイデア9月号「漫画・アニメ・ライトノベル文化のデザイン(後編)がすごい。
idea アイデア9月号 定価2970円
前編に続いてアニメ・漫画カルチャーフィールドにおける「モノ」のデザイン(多くは単行本装丁や雑誌表紙など)にフォーカスしたもので、デザインプロダクションごとに、その仕事とビジュアルが丁寧な構成で配置されており、「最近の漫画とかアニメのデザインってこういうカンジだよね」と見ていてとても楽しいし、勉強になる。
村田蓮爾の美麗イラストのカバーから、画集・同人誌の装丁研究もファンにはうれしい内容だ。
その中に約8ページだけ、黒い背景の特集コーナーが組まれている。
タイトルは「SPEEDFREAK DESIGN!! "J-CORE/GABBA/NERDCORE"」。
そこには200タイトル以上の歴代の国産ハードコア・ナードコア・J-COREのジャケットが、概ね歴史の並びで掲載されている。国内ハードコア黎明期を立ち上げたHYPERRICHから最新かつ前衛のUGUレーベルに至るまで、ただ整然とジャケットが一覧されている。
「誰も見たことが無い」と括られているCD・レコード・カセットだが、確かにこの世の中にドロップされ、数限られたリスナーの手に渡っていたという証拠としてこの誌面が成立したという事実に、まず賞賛を送らずにはいられない。
かつて、これほどまでに説得力のある国産ハードコア文化についての言及があっただろうか。
日本という極東の島国におけるハードコアの文化が、紆余曲折ありながらも脈々と現代に繋がり、今も拡大を続けている様が、見開き2ページに渡るジャケット画像の波の合間に見て取れる。
僕は個人的にこの特集に自分の半生を重ねることができ、先祖と子孫という血統によって作られる歴史だけではなく、音楽という言語で紡ぎだされた過去と未来のつながりの中で、「日本のハードコア文化」という形で群体として文化が進化した過程が誌面の形で定着されたことに感動した。
ジャケットとともにさらに見開きで、それぞれのアーティスト、レーベル、CatNo、リリース年が展開される。この構成にも驚いた。ジャケットデザインをただ並べただけでなく、アーティストとレーベル、そして歴史的経緯をもデザインが産み出しされた文化の背景として楽しんで欲しい、というライターの意図だろうと思う。
併載された国内ハードコアシーンについてのコラムには、珍しく98年以前(SPEEDKING以前)の歴史についての言及がなされている。東京、大阪、そしてインターネットが産み出した文化の背景は、最近ハードコアを知った方たちにも貴重な手引きとなると思う。今となっては、ここに掲載されている音源のほとんどは入手しにくい・入手不可能なものも多いとは思うが、興味さえあればいずれめぐり合うことができると思うので頑張って!
貴重な資料を提供された諸氏、本誌企画にあってこの企画を検討・採用したアイデア編集部、そして執筆されたライターの方に、一読者として多大なる賞賛とともに感謝の念を伝えたいと思います。
ありがとうございました。