【大阪・玉造】玉造稲荷神社 | 英語の音韻論と、英語の発音と、ときどき日常。

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このブログは、筆者の大学・大学院での主専攻である英語音韻論や英語音声学を主とし、英語学、言語学、日常のこと、私の興味のあること等を纏めたものである。

筆者は2024年3月に大学院博士前期課程を修了。

質問等コメント大歓迎。

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 神社・仏閣巡りは暇さえあれば続けているが、ブログ記事にするのは久しぶり。今回は「玉造稲荷神社」を参拝した。

 

 

  玉造稲荷神社とは?

 

 玉造稲荷神社は、その名の通り、「お稲荷さん」を祀っている神社。以前紹介した土佐稲荷神社と同じだ。

 

 

 社伝によれば、創祀は垂仁天皇18年(紀元前12年)の秋ごろとされ、古代氏族の一つである「玉作部」の居住地であった。玉作部は勾玉、管玉、丸玉といった玉類の製作を行っていた品部(大化の改新前、特定の職能をもって朝廷に仕えた人々の集団のこと)であり、日本書紀にもその記述がある。

 

 なお、玉作部という字を見て気づいた方もいるだろうが、玉造稲荷神社のある玉造の由来はまさに玉作部である。最初は玉作としていたが、のちに玉造になったそう。

 

 

 

 古墳時代になると、物部氏と仏教受容問題で争った厩戸皇子(聖徳太子)は、玉造稲荷神社において戦勝を祈願し、戦乱後は自ら観音堂を玉造稲荷神社敷地(玉作岡)に建立したと伝わっている。

 

 その後、安土桃山時代になると、豊臣家が大坂城の鎮守神として祀り、豊臣家亡き後、大坂城に入城することになる大坂城代もまた、着任の際に玉造稲荷神社を参拝し、定紋の提灯を奉納するなど、厚い信仰があった。

 

 そのため、玉造稲荷神社を「豊津稲荷社」と称することもあった。また、以下で紹介するように、豊臣家ゆかりのものが多数存在する。

 

 

  参拝入り口・手水舎

 

こちらはJR西日本 大阪環状線 玉造駅、大坂メトロ 長堀鶴見緑地線 玉造駅から北へ10分ほど進んだ場所(だいたい650m)にある。

 

 

入り口を入って鳥居をくぐると、すぐ左手に手水舎あり。

 

 

 また、先に紹介すると、玉造稲荷神社境内には、慶長8年(1603年)に豊臣秀頼によって奉納された鳥居がある。この鳥居は1995年の阪神・淡路大震災により損傷を受け、現在は上部と脚部に分けて境内に置かれている。

 

 

  本殿

 

 本殿は何回か建て直されているようで(大坂夏の陣や大阪大空襲などで焼失した)、現在の本殿は1945年6月の大阪大空襲で焼失したのち、1954年10月に再建されたものである。

 

 本殿に祀られている主祭神は、稲荷神社であるから、もちろん『宇迦之御魂大神(うがのみたまのおおかみ)』である。そのほか、相殿神として『下照姫命(したてるひめのみこと)』、『稚日女命(わかひるめのみこと)』、『月読命(つきよみのみこと)』、『軻偶突智命(かぐつちのみこと)』が祀られている。

 

 

 稲荷神社といえばご利益は商売繁盛なのだが、玉造稲荷神社はほかにも縁結び、子授け、安産祈願など、特に女性の人生に係ることにご利益があるという。

 

 また、上記の写真では見えないが、お賽銭箱のところにおみくじをいただける箱が置いてある。100円。私がいただいたのは25番 吉であった。

 

25番 吉

 

このおみくじにあう人は 枯木に見えても 春が来て 再び芽を出すように 目上の人の引立により 幸の芽が出るが 我意を立てれば悪く 謙虚に事にあたれば 神仏のご加護がある 

 

◯病気 医者の指示に従い回復する 

◯恋愛・縁談 無理を通さずば自然に叶う 

◯待人 来るがおそい 

◯訴訟 正しければ叶う 

◯失物 やがて出る 若し出なくてもよい代物が現れる 

◯売買 踏み込んで買うがよく売物早く売ってよし 

◯建築・移転 周囲に反対なければよし 

◯旅行 無理せなければよし 

◯金運 我意をはらなけれざ、やがて廻り来る 

◯受験 迷わず適所に行けばよし

 

  摂末社

 

 玉造稲荷神社敷地内には、いくつかの神様が祀られている。

 

 本殿右手直ぐには厳島神社があり、『市杵嶋姫神(いつきしまひめ)』が祀られている。

 

 

 厳島神社の隣、じつはここにもお稲荷さんが祀られている。向かって左側に『新山稲荷社』が、右側に『万慶稲荷社』がある。

 

 新山稲荷社は、寛政11年(1799年)、当時の大坂城代・松平輝和が城代の屋敷内に玉造稲荷神社の分霊を祀ったものであり、明治40年(1907年)に玉造稲荷神社境内に遷座された。一方、万慶稲荷社は、徳川時代の大坂城敷地内の各所に祀られていた稲荷社を一社に合祀し、玉造稲荷神社境内に祀ったものである。

 

 

 また、その隣には豊臣秀頼公と母・淀殿を結ぶ卵膜・胎盤などの胞衣(えな)が鎮まる『豊臣秀頼公胞衣塚大明神』がある。胞衣は母親と子供の“縁”を結ぶものであるから、縁結びの神様として霊験あらたかであり、また「子供の悩み」や「夜泣き」に対してご利益があるともいわれている。

 

 

 

  その他

 

 伊勢参りが流行していた江戸時代、玉造稲荷神社は大坂以西の伊勢参りの出発地であり、旅立つ人、またそれを見送る人々でたいへん賑わっていたそう。今でも、伊勢参りの出発地として、玉造稲荷神社から歩いて伊勢神宮へ参拝する人も結構いるようだ。

 

 

 

 

  アクセス

 

所在地

〒540-0004

大阪市中央区玉造2丁目3番8号

TEL 06-6941-3821

 

最寄り駅は「玉造駅」あるいは「森ノ宮駅」

どちらの駅からも徒歩10分ぐらい。