感想ポイント


“リモート/デジタル”アシスタントという時代性


ねこのてという「地方在住デジタルアシスタント」を増員する描写から、漫画業界だけでなく働き方全体が変化していることが浮き彫りになります。双見が「アシスタントを増やしたい」と言う段階から、従来の“机を並べて作業”という環境が揺らいでいる様子が伝わってきます。

この点が、「漫画家」という特殊職業ではあるものの、現代の“リモートワーク”“デジタル支援”といったキーワードとリンクしており、視聴者にも“他人事ではない”リアルな印象を与えます。


プレッシャーと現実のギャップ


作業量増=アシ増員という流れで、双見の“理想の自分/現場の自分”のギャップが強くなっています。彼女がこれまで抱いてきた「自分は漫画だけ描いていればいい」という想いと、実際の連載・取材・アシスタント管理・SNS対応など多岐にわたるタスクの現実が交錯しているのが、この回の核心だと感じました。

例えば将棋道場取材という“外部業務”が入ってくることで「絵を描くだけではない」という業界の重みが出ており、視聴者も「漫画家ってこんなに大変なんだ」と納得させられます。


キャラクター関係性の変化と成長の兆し


ねこのての加入が、双見だけでなくアシの間・担当の佐藤との関係性にも影響を与えています。これまで“頼もしいアシスタント”“クールな担当編集”という役割がある程度固定されていた中で、新メンバーの加入は物語に変化をもたらす予兆。

双見が「お願いする/任せる」という立場に一歩踏み出す姿勢を見せたのも印象的でした。これは“成長”の表れとして、今後の展開を考える上で鍵になると思います。



 考察:深掘りしたい3つのテーマ


アシスタント増員=“プロとしての覚悟”


アシスタントを増員するという選択自体が、双見の“プロ漫画家”としてのステージが変わったことを意味します。自分一人で納期を守るというフェーズは終わり、チームを運営する/外部と協働するという次のステップへ。

このことは「笑顔のたえない職場です。」というタイトルの裏に、「一人では保たない職場」を示唆しており、第3話がその転換点と言えます。


SNS/テンション文化と伝統的編集作業の衝突


ねこのてというキャラクターがSNS上で“激しいテンション”であるという設定が興味深いです。漫画制作という“職人仕事”と、SNSという“即時・軽量・伝播”の文化が接触することで、作品内部に文化的なズレ・摩擦が生まれています。

このズレをどう作品が描いていくか?ねこのてが既存メンバーとどのように調整していくか?このあたりが今後の面白さだと思います。


将棋漫画『昴へ』の取材/監修という“本気モード”の提示


将棋道場への取材&女流棋士・角館塔子の登場は、単なる背景演出ではなく「この漫画(作中漫画)が本気で作られている」というメタなリアリティを強めています。

実際に監修を受けるという構図は、漫画家という職務の“産業的リアリティ”を視聴者に伝え、「趣味で描いてるわけじゃない」という緊張感を追加。双見がプロとして逃げられない世界に入ったことを象徴しています。



 第3話の見逃せないシーン・気になるカット

びっくりマークねこのてが初めて作業に取り掛かるシーン:SNS投稿のテンションと漫画作業の落ち着いたテンポの対比に注目。

びっくりマーク双見が“お願い”をする瞬間:これまで自分が抱えていた責任を分担することへの葛藤が描かれており、彼女の変化が感じられます。

びっくりマーク将棋道場の打ち合わせ・取材カット:業界外部との接点が視覚的にも強調され、制作現場だけではない“俯瞰された職場”感が出ています。

びっくりマーク佐藤・間・ねこのての3者が同じ場にいるカット:旧体制と新体制の境界がこのシーンで暗に示されており、この回のキー構図のひとつだと思います。



 今後予想される展開とキーとなる問い

びっくりマークねこのてという新アシスタントが、本当にチームに馴染むか否か。テンション・作業方式・遠隔という壁をどう超えるか。

びっくりマーク双見が「一人でやる」から「チームでやる」へとシフトしていけるか。その過程で“仕事観”がどう変わるか。

びっくりマーク『昴へ』という作中漫画のクオリティをどう維持/上げていくか。監修・取材・アシスタントとの連携が鍵になりそう。

びっくりマーク職場(編集部/アシスタント/漫画家)という“処”がどう“笑顔のたえない”状態になるのか。今回増員が“苦しさの表れ”なら、次回以降それが“理想”へと改善されていくのか。


まとめ


第3話「猫の手も借りたい状況です。」は、表面的には“アシスタントを増員する”というエピソードに見えますが、その背後には「働き方の変化」「プロとしての覚悟」「チーム化」という深いテーマが描かれており、シリーズにとって大きな転換点となる回だと感じました。

特にデジタルアシスタント・ねこのての加入によって、双見の職場環境・視界・価値観が揺らぎ始めており、この先彼女がどう“笑顔のたえない職場”を実現していくかが鍵になるでしょう。


次回以降では、「チームとして機能するか」「作画・取材・SNS対応と漫画家の“全部”をどう両立するか」が焦点になると思われます。

視聴者としても、ただ笑える職場コメディではなく“働く大人のリアルな日常”を楽しめる構造になっており、これからも目が離せません。