上場準備に必要なこと | 世界一熱い投資会社の日記(β版)

上場準備に必要なこと

株式公開をするには、プライベート(私的)な会社からパブリック(公的)な会社へ
会社の中身を大きくかえる必要があります。

これは
・ルールに則って業務が行われていて不正や私的流用がおきない
・会社でなにか起こったときにすぐに情報を開示できる体制ができている

この2点に業績がきっちりと出ているのか
というところをあわせたポイントが重要になるわけです。

そこで各社は管理部門の人員を整えて、月次決算を早期に行うようにし、
且つ、規程(業務のルール)を定めたり、
内部監査(ルールに基づいて業務が行われているかのチェック)を
行ったりする必要があるわけです。

しかし、ここの部分というのはIPOのために本質的に必要なことではないのです。

IPOコンサルタントはこういったところを非常に重視している場合が多く、
規程はどこかの会社のものを流用し、
月次決算は人員を増やして、人海戦術で対処し、
形骸化し、且つ書類上だけでの内部監査を行って
体面を取り繕うということでIPOをしようとすることが多いです。

こんなことはちょっとした知識があればできること。

証券会社や取引所とのリレーションについては、
特段難しいテクニックはいらずに、
発行会社としてIPOすることへの熱意や執念をもって
誠実に対応をしていくということができればよく、
公開直前や公開後のIRストーリーを立てることや
公開準備も着手していないときからIPO時の引受シンジケート団を
決めておく必要などまったくないのです。
これは公開が見えてきたときに初めて考えればいいことなのです。

では、なにが必要となるのか。

これは逆説的な言い方となるかもしれないが、
上場しなくてもしっかりと成長して、利益が出せる会社にする
このための基盤をきっちりとつくっていくこと。

これこそが一番重要なことであって、
IPOコンサルタントでは絶対にできないことなのである。

なぜなら、事業がわかった上で、
会社の業務フローを抜本的に見直して、
社員のモチベーションを高めて、
会社の計数を早期にモニタリングしながら
事業の展開を考えなくてはならないからです。

しかし、実はこの作業はIPO時に求められていることにかなり近い部分ではあり、
・事業が拡大しても少ない管理部門で決算を早期で〆る仕組みづくり
 →これには全社員の協力が不可欠
・業務フローの抜本的な見直しによる効率化や権限の明確化とその運用状況チェック
 →これは規程を実態に即したものとして、社内に浸透させることが必要であり、
  それに加えて内部監査でチェックしていくことなのです。
・計数を早期にモニタリングしながら事業の展開を考える
 →これは決算早期化をさせれば、その後の業務をどのように行っていけるのか
  意思決定の時期が早まり採りうる戦略上のオプションが増えることになるのです。

そして、一番重要なことは以前にも記述したのだが、
ミドルマネジメントを育成し、全社一丸となってどう会社を大きくしていくのか
ということを真剣に議論して、
その上で社員教育をしていくことが重要であり、
ミドルマネジメント層の拡充なくして、売上規模の拡大には
おのずと限界が出てきてしまうのです。
(引っ張れる人が少なくなれば、そこで組織的な成長は頭打ちとなる9

このようなプロセスを経ずに、テクニックだけで運良くIPOを果たした会社は
本業の強みが薄く、社員のモチベーションが低い会社が多いことから
結局上場後に上場時の事業を早々に捨て去ってしまったり、
社員が大量に退職したり、
業績が急激に悪化したりすることになってしまうのです。

本質的にはこのような会社は資本市場にとって、果たして必要な会社なのか。
上場企業ということだけで優遇されているということを
いつまで許容するのかということは、どのように退出させるのかということも
あわせて議論を起こしていく必要があるのだと思う。

上場していなくても、ステークホルダーすべてにとっていい会社を志向すれば、
おのずと上場はできることになるのだろうと信じて準備を進めている。