前回、日本企業全体の業務のすすめかたが標準化されず、業務の仕様が不明確であると述べました。そして、このことがアウトソーシングに大きな支障になっていると書きました。




一方、業務の仕様が明確なのは、製造部門での製品の生産だと考えられます。製品の生産の場合は、開発部門で設計を行います。そして製品として機能するかのチェックも十分行います。その結果、製品の仕様書が完成します。製造部門ではこの仕様書に基づき、生産に入ります。製造段階では仕様書通り製品を仕上げるとともに、できるだけ効率的に無駄が生じないように生産プロセスを完成させます。このようにすることで、製品の品質と均質性が保たれます。そして、企業として、品質・コスト・納期が保たれることになるのです。





このように優れたモノづくりのプロセスが基礎になって、外注先への生産移転や海外への生産への移管が進んでいるのだと考えられます。




ある時、A社の間接業務の改革のトップに製造部門の海外移転の責任者が就任しました。このトップは、「事業部門は、グローバル化に対応するため必死に海外生産を進めている。間接部門だけが、グローバルという観点に目を向けないで海外での業務移管をしないのは納得できない。」と言い出しました。確かにその通りです。間接部門は日常の中で、競争者が不在と言うこともあり、グローバルを意識せず仕事をしていました。このA社のトップからすると、間接部門は井の蛙であり、外部に仕事を任すという考えも乏しく、まるで鎖国状態のように映ったことでしょう。




このような、A社のトップの筋論には間接部門もグーの音も出ませんでした。そして、このトップはもう一つ筋論を言ったのです。それは、「製造部門はできるだけ機械化してオートマティカルに物づくりをしている。間接部門も同じように全機械化するくらいの気持ちで対応すべきだ。」との論です。この声に関しても反論はできなかったのです。


A社ではトップの筋論を受け、シェアードサービスセンターの業務の大きなかたまりを中国に移管することにしたのです。そして、移管先はITに強いアウトソーサーを選んだのでした。




続きは次回とします。