前回まで、「シェアードサービスコンソーシアム」に関して述べてきました。「シェアードサービスコンソーシアム」は簡単に言えば、企業のシェアードサービスセンターを丸ごとアウトソーシングする手法です。したがって、規模も大きく戦略的な手法と言えます。
話を戻しますが、企業の中で「シェアードサービスコンソーシアム」以外の大型で戦略的なアウトソーシングは広く行われているのでしょうか。結論から言うと、小規模で特定の業務のアウトソーシング以外のスキームはあまり進んでいないように思われます。
1990年代くらいから、企業改革の手法としてアウトソーシングは「戦略機能への集中」や「持たざる経営の推進」「所有から利用へ」などの謳い文句で注目されてきました。ひところは「アウトソーシングフェア」のような、アウトソーシングをテーマにしたイベントも行われてきたのですが、最近ではそのようなイベントも行われなくなってきました。
決して、アウトソーシングの必要性の背景にある考え方や状況は変わってきていないように思われます。しかし、企業が戦略機能へ特化することができるようなアウトソーシングが実現できず、特定の分野で小規模のアウトソーシングしか進んでいないのでしょうか。
実現できない大きな要因の一つは、業務を推進しているそれぞれの担当者や管理者が、自らの現状の業務に関して価値があると思っていることにあると思います。もちろん、自分の仕事に誇りを持つことは重要なことです。しかし、誇りを持つあまり自らの仕事に固執して他の企業に委託することについて大きな抵抗が出てくることになりかねません。実は、アウトソーシングが進まない理由がこのように極めて心情的とも言える理由があると思います。
実現できない要因の二つ目は、企業の中で戦略機能を発揮するにも、実務の経験がないと難しいという考え方が根強くあると思われます。したがって、本来はアウトソーシングが出来るのだが切り離せないとの思いが根強くあると思われます。このような考え方もアウトソーシングが進まない大きな理由の一つにあると思われます。
本日は極めて心情的とも言われるアウトソーシングを阻害している二つの要因について書きました。このようなことをいかに乗り越えるべきでしょうか。次回この点に関して述べます。