前回書きましたように「共同経営型シェアードサービス」導入前にコンサルティングを行い、様々な課題の抽出ができました。課題の抽出の中で、O社とA社で事前に合意すべき重要内容を「共同経営シェアードサービス契約書」に明記したのでした。
更に、コンサルティングを通じてお互い明確になったことは、俗にいえばお互いの肌合いの良さです。かっこのよい言葉で言えば、「企業文化」「企業風土」の親和性です。
「長期志向で人の成長による企業発展」や「短期志向で年度ごとの業績重視」のような企業理念の違いよって、企業文化や従業員のタイプも異なります。
数か月ヒヤリングを通じて人と人とのコミュニュケーションを通じて、お互いの企業文化や従業員の行動のスタンスの共通性・親和性を感じたことが大きかったと思います。「共同経営型シェアードサービス」を通じてお互いの企業が長い付き合いをするわけですから、肌合いの良さは非常に大事だと考えたからです。いわば、企業間の付き合いも家庭生活のO社とA社が結婚してB社と言う子供を育み育てていくのと同じようなことになるからです。
さて話を「共同経営型シェアードサービス契約書」に戻したいと思います。
契約書では、明確になった課題を解決して、B社をよりQCS(品質・コスト・スピード)の高い企業にするため、A社とO社の責任を明確にしたのです。共同経営型シェアードサービスに移行して責任の曖昧さにより改革が進まないことを予め防ぐ狙いがありました。
このうち、契約書に折り込んだA社の主な責任条項としては
① 新たにシェアードサービスに取り組む機能の明確化
② 新たな価格体系の構築に関する協力
③ 業務改革に不可欠な制度変更に関する協力
④ 新たな給与制度の構築に関する協力
また、契約書に折り込んだO社の主な責任条項としては
① O社が自社のシェアードサービスで培った様々なノウハウ(原価管理など)の移植
② B社が取り組む業務改革に関するサポート
③ 改革を行うに関しての人材面でのサポート
そして、契約書には改革後の共通の経営目標を定性的・定量的にも明確にうたったのです。
更にお互いの協力により目標として掲げた内容が実行できるのかどうかを見極め、目途がたてばO社が資本のマジョリティを得て運営していくことにしたのです。
具体的には、一定の期間進捗度を評価して当初の目標を達成すれば、O社の資本マジョリティに移行することにし、見極め期間の間はO社の出資もマイナリティにとどめたのです。
このようなステップはA社からは「O社は慎重すぎる。」という指摘を受けたのですが、アウトソーシングの難しさを痛いほど知っているO社の判断でした。
このようにして最初の「共同経営型シェアードサービス」はスタートしたのです。